地産地消のエネルギー バイオマスの基礎知識
2016/01/29
バイオマスとは、生物に由来する之性のエネルギー資源のこと。種類が豊富でエネルギーの使用形態も様々なバイオマスエネルギーの、電気を作る仕組みや活用の現状を紹介。
注目のクリーンエネルギー
バイオマスの仕組み
バイオマスは生物に由来する有機性のエネルギー資源です。生物に由来するので資源は再生可能であり、燃やしても地球上のCO2の量を増やすことはありません。そのため、持続可能なクリーンエネルギーとして注目されています。燃料を安定的に調達できれば基本的に出力一定で発電できる点は太陽光や風力と比べた時の強みです。
農林業政策や地域経済活性化の観点からも高い注目を浴びています。電気を作る仕組みは火力発電と基本的に同じ。バイオマス燃料を燃やして発生させた熱で蒸気を作り、その蒸気がタービンを回すことで発電します。電力会社では、石炭火力の燃料の一部をバイオマスにする混焼の取り組みも行われています。石炭火力の環境負荷をその分低減することができます。
地産地消のエネルギー
多様なバイオマス資源
発電時に発生する熱を有効利用する取り組みも一部で行われています。いわゆるコージェネレーション(熱電併給)です。これによりシステム全体の経済性は増しますし、地産地消のエネルギー源としての性格も一層強まることになります。一括りにバイオマスといっても、その種類は多様です。木材、物、動物の糞尿、生ゴミなど全てがバイオマスです。そのなかで商業用発電所の燃料として現在、使われているのは、下水汚泥や食品廃棄物などから作るメタン発酵ガスや木材、一般廃棄物(可燃ごみ)です。
木材燃料はさらに、輸入材など一般木材、建設資材廃棄物などリサイクル材、間伐材由来の未利用木材に分けることができます。このうち一般木材、リサイクル材の利用はある程度進んでいますが、未利用木材を活用した事業はまだわずかです。バイオマス発電全体での設備導入量は2014年8月時点で約239万kWです。それ以外に、運転開始には至ってないもののFIT制度の設備認定は受けている設備が約120万kWあります。FITの優遇措置が後押しとなって、今後の導入量の増加が期待されています。
解説/木舟辰平
※『SOLAR JOURNAL』vol.13 より転載