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【2023年度FIT/FIP】太陽光入札、すべての建物の屋根上設置で入札制を免除へ

2023年度の事業用太陽光入札について、資源エネルギー庁が詳細を固めた。2023年度から新たに新築を含めたすべての建物の屋根上設置について、入札制の適用を除外する方針だ。上限価格の事前公表、原則250kW以上が入札対象とすることなどは2022年度と同様とみられる。

新築・既築の屋根設置を入札除外
建物登記の提出などで適切に確認

資源エネルギー庁は1月17日、2023年度の事業用太陽光入札(FIT/FIP)の詳細について、調達価格算定委員会で議論した。その結果、2023年度からの変更点として、新築を含めたすべての建物の屋根上設置について入札制の適用を免除する考えが示された。

すでに2022年度から、既設建物の屋根上設置については入札制の対象から除外されている。今回、これに新たに新設建物を追加し、すべての建築物の屋根上設置について入札制を適用しない方針が明らかになった。入札制の免除にあたっては、建物登記の提出を求めるなど、屋根に設置されることを適切に確認するとされた。

その一方で、上限価格の事前公表、原則250kW以上の入札対象範囲、年4回の入札実施回数については、今年度から変更しない方向だ。

2023年度の上限価格については、今年度と同様に、2023年度の事業用太陽(入札対象範囲外)の調達価格・基準価格9.5円/kWhと、2024年度の事業用太陽(入札対象範囲外)の調達価格・基準価格の間を刻む形で設定される。なお、今年度の上限価格は、第12〜15回にかけて、それぞれ10.00円/kWh、9.88円/kWh、9.75円/kWh、9.63円/kWhだった。

FIT/FIP区分なく単一の入札枠
募集容量の考え方は今年度と同様

2023年度は、FIT電源/FIP電源で入札に区分を設けることなく、250kW以上の事業用太陽光として全体で単一の入札枠として競争を行うとされた。具体的には、2022年度の第12〜14回入札における落札容量(全体)の平均値である105MWを、2023年度初回入札の募集容量とする方針だ。

また、2023年度2回目以降の募集容量の考え方については、今年度を踏襲するとされた。具体的には、前回の入札容量を踏まえて、入札容量が募集容量を上回った場合と下回った場合のそれぞれで下図の通り見直す考えが示された。

(来年度2回目以降の募集容量について。出典:資源エネルギー庁 調達価格等算定委員会)

今年度からは新たにFIP入札が始まったが、これまでに開催された3回の入札では、入札容量が募集容量に満たない状態が続いている。資源エネルギー庁は、平均落札価格が「着実に低減」できているとしているが、今後の入札の動向が注視される。

DATA

資源エネルギー庁 第83回 調達価格等算定委員会


文:山下幸恵(office SOTO)

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