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サングロウの中国・合肥の本社と工場から見る最先端技術をレポート!

系統用蓄電池をはじめ、幅広いエネルギー製品を提供し続けるサングロウ。今をときめく同社は今年6月、中国・合肥市に新しく完成した本社工場を初公開した。技術の粋が詰まったサングロウの新工場を現地からレポートする。

(サングロウの新しい本社ビル。出典:サングロウ)

合肥市のハイテク区に完成
サングロウの本社工場

中国・合肥市の中心部からサングロウの本社工場までバスに揺られる中、街ゆく車に緑色のナンバーをつけた車が多いことに気づいた。辺りを見渡すと、半数近くは緑色のナンバーではないだろうか。聞けば、電気自動車(EV)など、新エネルギーで走るクルマだという。EVの普及に力を注ぐ中国の一面を垣間見ている間に、サングロウの本社に到着した。

合肥市のハイテク企業エリアで、ひときわ目をひく高層ビルは、このほど新築されたサングロウ本社だ。通称・ハイテク区には、EVメーカーのBYDや、最先端技術を研究する中国科学技術大学(USTC)が軒を連ねる。

(合肥市のハイテク企業エリアにあるサングロウの工場。出典:サングロウ)

サングロウ本社のエントランスホールの奥には、系統用蓄電池「Power Titan2.0」をはじめとする最新技術を展示したショールームがある。世界各国からの参加者が続々とバスで駆けつけると、早速、ショールームのツアーが幕を開けた。

世界有数の蓄電池メーカー
サングロウが夢見る未来とは

(エントランスホールでは、サングロウのキャラクター・ヤンヤンが出迎えてくれた。出典:サングロウ)

「1997年に創業したサングロウは、太陽光発電のインバータの開発からスタートしました。現在は、太陽光発電に加えて、蓄電池、電気自動車、風力、水素といった幅広い分野の製品ポートフォリオを持ち、業界最大級のR&D専任チームを有しています」。ショールームの巨大なジオラマとスクリーンの前で、プレゼンターはこう説明する。

サングロウは、日本では、太陽光発電のPCSや蓄電池システムのメーカーとして知られている。それらに加えて、世界では風力発電用のコンバーター、EV充電器においても高いシェアを誇るという。再生可能エネルギーで水素を製造するグリーン水素生成システムなどについて説明を受けた。

壁や床がすべてスクリーンになった部屋に踏み入れると、そこに映し出されたのは、サングロウが描くエネルギーの未来だった。空飛ぶ車がビルの間を行き交い、EVが最適なタイミングで充電する世界では、個人の間でエネルギーのやりとりが行われ、自然との共生が図られているーー。こうしたビジョンによって、ショールームの見学は締めくくられた。

蓄電池の製造ラインを初公開
効率を追求した最新鋭の工場

このほど完成したサングロウの新しい工場。出典:サングロウ)

新工場では、まず、サングロウの産業用蓄電池「Power Titan2.0」に使われる電池パックの製造ラインを見学した。青いバッテリーセルがアレイパックとして組み立てられるまでには、ロボットによる作業や、作業者が行う検査工程などがある。

(サングロウの工場で、ロボットがバッテリーセルを組み立てる様子に様子に感嘆の声があがった。出典:サングロウ)

組み立てロボットのアームが縦横無尽に動く様子に、見学者から感嘆の声が挙がった。若い作業者が手際よく作業を進める様子に、興味深く見入っている見学者もいる。1つのセルがパックとして組み上がるまでにどれくらい時間がかかるのか尋ねたところ、「1パックあたり約5〜10分です」という答えが返ってきた。

(明るく、空調の効いた工場で効率よく作業が進められている。出典:サングロウ)

続いて、インバーターに搭載される基盤の組み立て工場を訪れた。最新鋭の機械の中を、緑色の基盤がスムーズに運ばれていく。工場の一角には、さまざまな気候条件を再現するための実験室が設けられている。20種類もの条件下でシミュレーションを行い、製品の品質を確かめるのだという。サングロウの製品の高い品質は、こうして維持されているのだということを目の当たりにした。

(多くの工程や検査を経て、高品質なサングロウの製品が完成する。出典:サングロウ)

最後に見学したのは、産業用蓄電池「Power Titan2.0」の最終の組み立て工場だ。見上げるほどの高さのコンテナにパッケージングされた蓄電池が、出荷を今か今かと待っている。これらの蓄電池が、今から世界中に出荷されて、エネルギーの有効活用に役立てられる。そう考えると、サングロウの描くエネルギーの未来は、遠い先のことではないのではないかと感じた。


取材・文:山下幸恵(office SOTO)

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