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PV EXPOでフルスクリーンの新製品を披露。適地が少ない日本の脱炭素化に高い発電効率で応えるAIKO。

AIKOは今年2月、PV EXPO国際太陽光発電展でフルスクリーンの新製品を公開し、参加者の関心を集めた。遮蔽物による発電の最適化などを実証し、注目を浴びた展示ブースの模様をリポートする。

今年2月のPV EXPO国際太陽光発電展のAIKOのブースには多くの参加者が訪れた。

 

<目次>
1.ABCモジュールの性能を実証 遮蔽されても発電量を最適化
2.新開発のフルスクリーン 変換効率をさらに向上
3.発電効率をさらに高めて再エネ主力電源化に貢献

 

ABCモジュールの性能を実証
遮蔽されても発電量を最適化

2025年2月に東京ビッグサイトで開催されたPV EXPO国際太陽光発電展に出展したAIKOは、ブース内で実証実験を行った。AIKOの代名詞であるN型「ABC(オール・バック・コンタクト)モジュール」は、高い性能を持ち、N型TOPConモジュールと比べて、より多く発電すると評価されている。その特長の一つが、モジュールに影がかかっても発電を続けるように最適化する機能だ。ブースでは、ABCモジュールとTOPConモジュールの両方に同じように遮蔽物で影を作り、発電量がどのように変化するのかを噴水を使って実験した。モジュール表面に影ができると、TOPConモジュール側の噴水は水の勢いが弱くなったが、ABCモジュールにつながった噴水からは勢いよく水が出続けた。この結果を見て、参加者からは驚きの声が上がった。


遮蔽物を置き、N型ABCモジュールが発電を最適化することを確認する実験。左側のABCモジュールに接続された噴水では、遮蔽物が置かれた後も水が勢いよく出ていた。

また、クラック耐性試験では、AIKOのスタッフが床に敷かれたモジュールの上で歩いたりジャンプしたりするパフォーマンスを行い、モジュール内のセルにクラック(ひび割れ)がないことを確認した。セルの頑丈さは、発電所の耐久性はもちろん、発火などの重大な事故を防ぐために重要な役割を果たす。


モジュール表面にクラックが入らないことを実証するために、床にモジュールを敷いてその上を参加者が歩いた。実験によって、耐久性の高さが証明された。(提供:AIKO)

 


 

新開発のフルスクリーン
変換効率をさらに向上

さらに、AIKOはブースで新開発のフルスクリーンモジュール「新・ネオスターシリーズ」を日本国内で初めて披露した。セルとセルの間のスペースをなくしたことで、さらに変換効率を高めた。485Wのモジュールの変換効率は24.3%と、AIKOのラインナップの中でもより多くの発電量を期待できる。フルスクリーンモジュールの展示モデルの前では、多くの来場者が足を止めていた。AIKOは、第一弾として54セルの住宅向けモジュールを発売する予定で、すでに受注を開始している。早ければ、この夏にも納品を開始するとしている。

昨年販売を開始した軽量化モジュール「ネビュラシリーズ」も好評を博した。重量は1枚あたり約8.6kgで、アルミフレームがついていることから、従来通りの施工方法で取り付けることができる。一般的なモジュールと施工性が変わらないため、導入が拡大している。受光面に特殊エンボス構造の新材料を使用し、光の反射を大幅に抑える加工が施されており、市街地でも設置しやすいように配慮されている。
 


 

発電効率をさらに高めて
再エネ主力電源化に貢献

Aiko Energy Japanの臧啓鵬(そう けいほう)社長はPV EXPOを振り返って、「たくさんの方々に当社のブースを訪れていただき、大変嬉しく思っています。ブースでの実験を通じて、当社のモジュールの強みを感じていただけたのではないでしょうか」と笑顔を見せる。2025年度の日本の太陽光発電市場に関して、「この4月からは東京都と神奈川県川崎市で新築住宅などへの太陽光発電の設置が義務付けられます。市街地などの限られたスペースでできる限り多くの発電量を得ることが、われわれモジュールメーカーに対してさらに求められると考えています。当社は、セルメーカーとして創業したので、セル単位で発電効率を上げることができます。製品の効率をさらに高めて、日本の再エネの主力電源化に寄与したいと考えています」と展望を語る。

2025年度の同社の日本市場における戦略について、「住宅をはじめとする建物への太陽光発電の導入がさらに加速するでしょう。当社は、スマートソーラー、アップルツリーといったディベロッパーやEPCのパートナー企業と協力して、住宅向けの提案を強化していきます。また、産業向けではPPA(電力購入契約)が広がりを見せていますが、20年間などの契約期間全体にわたってより多く発電するモジュールの方がメリットを発揮できます。当社のモジュールは高い発電効率によって、さまざまなビジネスシーンに貢献します」と力を込める。

注目の製品

軽量かつ防眩(ぼうげん)
ネビュラシリーズ


通常のモジュールの約3分の1に軽量化した「ネビュラシリーズ」。アルミフレームが付いているため、従来通りの方法で施工できる。受光面に特殊な部材を採用し、光の反射を抑えている。(提供:AIKO)


フルスクリーン
新・ネオスターモジュール


新発売のフルスクリーンモジュール。さらに変換効率を高め、AIKOのラインナップの中でも発電効率は群を抜いている。54セルの住宅向けモジュールは、早ければこの夏から納品される見通しだ。(提供:AIKO)

 


 

問い合わせ


Aiko Energy Japan株式会社
東京都港区虎ノ門1-2-8 虎ノ門琴平タワー22階 
TEL:03-3528-8590
E-mail:japanoffice@aikosolar.com

Aiko Energy Japan株式会社
社長

臧 啓鵬 (そう けいほう) 氏


取材・文:山下幸恵(office SOTO)
写真:松尾夏樹

SOLAR JOURNAL vol.53(2025年春号)より転載

Sponsored by Aiko Energy Japan株式会社

 

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