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脱炭素化・省エネ住宅市場の新たな展開が活発化 2040年度にZEHは235万1000戸に

新築住宅を中心に高気密高断熱化と高効率設備機器の導入が進み、事業者による新たな展開が活発化している。年間のエネルギー消費を実質ゼロとするZEHは、2040年度には235万1000戸に増加すると予想されている。

<目次>
1.人口減少が進むなか 高付加価値化ニーズが追い風に
2.集合住宅のZEH-Mは2040年度には349万4000戸に
3.スマートホーム AIとIoTで暮らしを高度化
4.自動制御型DRサービス 2040年度には12万4000戸に
5.脱炭素化・省エネ住宅は相互に関連しながら拡大

 

人口減少が進むなか
高付加価値化ニーズが追い風に

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)、スマートホーム、高気密高断熱住宅に関連する国内市場は、エネルギーコストの高騰やカーボンニュートラルへの取り組み、さらに快適性や防災性を重視する生活者ニーズの高まりを背景に拡大していくとみられている。政府が2050年のカーボンニュートラル実現を掲げるなか、住宅分野での省エネルギー化と再生可能エネルギー活用は不可欠とされ、関連市場の成長が加速している。

富士経済は、「2025年版 住宅マーケット別建築・機器・サービス市場調査」を実施した。この調査では、ZEHやスマートホーム、高気密高断熱住宅を中心に、関連する住宅設備やサービスの市場を対象とし、40年度までの動向を展望している。エネルギー効率化や再エネの導入、居住者の利便性向上や安全性確保を軸に、市場は今後も成長を続ける見通しである。特に、ZEH普及支援策やIoT関連技術の進展、人口減少が進むなかでの住まいの高付加価値化ニーズが追い風となる。

 

 

集合住宅のZEH-Mは
2040年度には349万4000戸に

富士経済「2025年版 住宅マーケット別建築・機器・サービス市場調査」

ZEHは、断熱性能の強化や高効率設備の導入、太陽光発電による創エネを組み合わせ、年間のエネルギー消費を実質ゼロとする住宅である。国の補助制度や電気料金高騰への対応を背景に導入が広がっており、24年度末には全国の登録事業者数が6000社程度に達し、大手の事業者だけでなく、地域展開の事業者にも広がっている。さらに40年度には、ストック市場は235万1000戸に増加すると予想されている。新築住宅での導入が中心で、特に注文住宅市場で採用が多い。

また、賃貸住宅などに向けたZEH-M導入も堅調に増えている。40年度には分譲マンション、賃貸マンション・アパートがいずれも拡大し、ストック市場は349万4000戸に達すると予想されている。

スマートホーム
AIとIoTで暮らしを高度化

富士経済「2025年版 住宅マーケット別建築・機器・サービス市場調査」

AIスピーカーやIoT家電の普及により、住宅内の機器を自動制御するスマートホーム市場も拡大している。照明や空調、セキュリティ機器などを遠隔操作できるほか、利用者の行動パターンを学習し、生活スタイルに合わせて最適な環境を提供する技術が進化しており、今後も堅調な成長が続くと予想されている。

今後はエネルギー管理や防犯、見守り機能の強化など、多様な生活支援サービスが導入され、より快適で安全な居住環境が実現される見通しだ。さらに、遠隔操作やデータ分析を活用した省エネ対策、高齢者や子育て世帯向けのサービス展開も加速するとみられる。

自動制御型DRサービス
2040年度には12万4000戸に

富士経済「2025年版 住宅マーケット別建築・機器・サービス市場調査」

デマンドレスポンス(DR)は、電力の需要と供給のバランスを調整するため、需要家(消費者や企業)が自らの電力使用量を賢く制御する仕組みのことである。発電した電力の量を消費量が大きく超えないよう、電力不足時には節電(下げDR)を、電力余剰時には使用量増加(上げDR)を促し、電力システムの安定化や再生可能エネルギーの活用拡大に貢献する。

自動制御型DRサービスは、電力のピーク時に自動で電力使用を抑制したり、他の時間帯にシフトさせたりする。住宅では、家庭用蓄電池などを活用し、電力会社からの要請に応じて自動で蓄電池に充電するほか、家庭での電力使用を削減することで、電力システムの安定化に貢献すると同時に、電気代の節約や報酬を得ることが期待される。

戸建住宅と集合住宅への自動制御型DRサービスの導入は、25年度には1万2000戸の見込みで、40年度には約10倍の12万4000戸と予想されている。現在は、戸建住宅においてDRの応答性が高い住宅用蓄電システムの導入が進んでいる。

集合住宅は、エコキュートやハイブリッド給湯器のヒートポンプ式・貯湯型給湯器が自動制御DRのリソースとして考えられ、30年度頃から大手デベロッパーでのサービス導入が増えると予想される。各住戸をまとめた1棟単位での制御運用も考えられ、共用設備として蓄電システムを導入し、各住戸のリソースと連動制御する形も想定される。

脱炭素化・省エネ住宅は
相互に関連しながら拡大

富士経済「2025年版 住宅マーケット別建築・機器・サービス市場調査」

外気の影響を受けにくく室温を一定に保てる高気密高断熱住宅は、冷暖房効率を高め、省エネ効果が大きいことから注目されている。特に冬季の暖房需要削減や夏季の冷房負荷低減により、光熱費の節約だけでなく居住者の健康維持にも寄与する点が評価されている。

さらに、ZEHやスマートホームとの組み合わせによる統合的な住宅性能の向上が期待されている。断熱材や高性能窓といった建材技術の進歩に加え、換気や空調制御と連動するIoTシステムが普及することで、住宅全体のエネルギー最適化が進む見通しである。

今後は、再エネの導入や省エネの取り組みが大手企業のみならず、中小規模事業者や個人住宅にまで浸透し、脱炭素への動きが加速するとみられる。また、人口減少社会において住宅の付加価値を高める方向性が強まっており、ZEH、スマートホーム、自動制御型DRサービス、高気密高断熱住宅の市場は相互に関連しながら拡大していくだろう。40年度の住宅関連市場全体は24年度比で大幅に成長し、省エネと快適性を両立させる新たな住まいの形が定着すると予想される。

DATA

                             
ZEH、スマートホーム、高気密高断熱などの注目住宅と関連住宅設備の国内市場を調査


取材・文/ダブルウイング

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