【工場脱炭素の進め方③】発電量の最大化を追求! 雪や影の影響を抑える新機軸:Aiko Solar
2026/05/13
太陽光パネルメーカー、Aiko Solar(アイコソーラー)が担ったミッションは発電量の最大化だ。積雪や部分遮蔽といった条件の中で、どれだけ電力を生み出せるか──その差が、電力自給率やCO₂削減量といった全体指標を左右する。Aikoのモジュールは、実環境における発電量という観点から、その最適解として選定された。
独自のABC構造により
実発電量で優位に立つ
月星製作所の太陽光プロジェクトにおいて、Aikoのモジュールが担った役割は明確だ。限られた設置面積と北陸特有の気象条件の中で、いかに発電量を最大化するか。その制約に対して、同社は独自の最先端技術で応えた。
評価されたのは、単なる変換効率の高さではない。雪や影といった実環境の中で、年間を通じてどれだけ発電量を確保できるかという「実効発電性能」である。WEEが描いた全体設計の中で、Aikoのモジュールは発電量を押し上げる中核として位置づけられた。
Aikoの強みは、電極をセル裏面に集約したN型オールバックコンタクト(ABC)構造にある。量産品として24%級の変換効率を持つ点は特筆すべきだが、本案件でより重要だったのは、その構造が実際の発電量をどう引き上げるかにあった。

AikoのABCモジュールなら、
産業用の屋根では、配管や建屋形状、さらには雪の残り方によって部分的な遮蔽が避けられない。一般的な太陽光パネルでは、一部のセルに影がかかることで全体の出力が大きく落ちてしまう。しかし、Aikoが開発したABC構造はこうした影響を局所化し、発電ロスを抑えることができる。
さらに積雪地域では、全面が雪に覆われた状態だけでなく、解け始めや部分的な残雪が年間発電量を低下させる。ABC構造はこうした部分遮蔽の影響を受けにくいという大きな特長を有している。実環境における発電量の差が、採用の大きな理由となった。

厳しい設置環境に応える
技術と工法の適合性
積雪環境は影の問題だけでなく、耐荷重の問題としても切実だった。その点でも、Aikoのモジュールは、業界標準である5,400Paを上回る6,480Paの耐荷重試験に合格しており、積雪地域における設置信頼性を担保する具体的な根拠となった。
見落としてならないのは、この耐荷重性能が保証要件として扱われる点にある。指定条件下での設置であれば、積雪による損傷に対しても保証が適用されるため、事業者にとってリスク管理上の意味合いも大きい。
また、今回のプロジェクトではモジュール単体の性能にとどまらず、工法面での対応も評価された。建屋条件によっては耐荷重への配慮が必要となるなか、WEEと連携しながら施工方法の検討を重ね、レールを用いない固定方式を採用。複数回の荷重検証を経て、施工の合理化と安全性を両立させている。
北陸では降雪前に施工を完了させる必要があり、工期短縮はプロジェクトの成立に関わる。製品性能と施工性の両面で条件に適ったことが、採用の決め手となった。
長期信頼性と安全性
工場屋根にも最適
産業用途における太陽光設備では、「止まらないこと」が求められる。Aikoのモジュールは、発電効率や遮蔽耐性に加え、長期信頼性と安全性の面でも評価された。同社モジュールの劣化率は、初年度1%以内、経年0.35%程度と極めて低く、30年スパンでの発電量確保に優位性をもつ。
また、配線構造の違いはマイクロクラックの発生リスクを抑制し、断線リスクを低減。さらに、ホットスポットの温度上昇を抑える設計により、火災リスクの低減にも寄与する。
こうした特性は、長期間安定稼働が求められる工場屋根設置において重要な意味をもつ。発電効率、実発電量、耐荷重、安全性という複数の要素を兼ね備えることで、月星製作所の困難な要望に応えた。今回の採用は、単一の性能ではなく、制約条件の中で発電量を最大化し続ける総合力が評価された結果と言える。
問い合わせ

Aiko Solar Japan株式会社
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-2-8 虎ノ門琴平タワー22階
電話番号: 03-3528-8590
E-mail:japanoffice@aikosolar.com
取材・文/廣町公則
SOLAR JOURNAL 脱炭素号(2026年夏)より転載
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