用地の仕入れ・販売に革命が!用地探索のプロが語る、WHERE導入のススメ

再生可能エネルギー事業では、優良な用地をいかに効率よく見つけるかが競争力を左右する。サステナブルホールディングスでは、複数の地図サービスを行き来しながら行っていた土地調査を、AIと地理空間データを活用する用地探索サービス「WHERE」に置き換えることで事業を大きく変革した。用地仕入れの仕組みがどのように変わったのか伺った。

 

複数の地図を見比べる日々
用地仕入れの現場が抱えていた課題

サステナブルホールディングスは、再生可能エネルギー事業、水事業、グランピング事業を展開する企業だ。もともとは2001年、空気中の水分から飲料水を生み出す装置「AirElixir(エア・エリクサー)」の開発から事業をスタートした。

アフリカや東南アジアなどの水不足地域で装置を展開する中、「そもそも機械を動かす電気が不足していて水を作れない」という課題に直面した。それをきっかけに、太陽光発電事業へと事業領域を拡大した。

再エネ事業に関しては現在、低圧から特別高圧まで幅広い太陽光発電所の開発・建設・販売を手掛けており、土地の仕入れから許認可取得、設計、施工、運転開始までを一貫して行っている。近年は系統用蓄電所にも事業を拡大しており、脱炭素社会の実現に向けたインフラ整備を進めている。

その中でも重要なのが、事業の出発点となる用地仕入れだ。しかし、以前の用地調査は非常に手間のかかる作業だった。

「Googleマップ」で候補地を探し、「eMAFF農地ナビ」で農地の区分を確認し、「国土地理院地図」で傾斜を調べ、「ハザードマップ」で災害リスクをチェックし、「MAPPLE」で筆界情報も個別に把握する。そしてある程度あたりをつけたら不動産登記情報を取得し、地権者との折衝に入っていく。こうして複数のサービスを何度も切り替えながら、1件ずつ条件を確認していかなければならなかった。

特に広島県など中国地方では、地形やハザード条件の影響もあり、候補地探しは難航。1日かけても数件(理想は10~20件)しか候補地を見つけられないことも珍しくなかった。また現地へ出向いて、初めて「まだ耕作中だった」「水路があって利用できない」と判明するケースもあり、調査の精度には限界があった。さらに、担当者は自分で候補地を探し、自分で現地を回るスタイルのため、経験や勘による属人的な業務になりやすかった。

「土地探しの行動量がなかなか増えなかった…」と、同社PV・BESSソリューション部課長の神﨑龍也氏は当時の苦悩を振り返る。

サステナブルホールディングス
PV・BESSソリューション部課長 神﨑氏

これまでの仕入れが変わった。
WHERE導入による現場と戦術の変化

そんな用地仕入れの転機となったのが、AIと地理空間データを活用した用地探索サービス「WHERE」の導入だった。決め手になったのは、それまで使っていた複数のツールを1つのプラットフォームで利用できることだった。

WHEREは、衛星画像やAIを活用した候補地探索に加え、法務局データとの連携による所有者情報の取得、行政データやハザード情報を利用した一次スクリーニング、案件管理までを一元化している。保安林・国有林等の法規制、農地区分、災害リスクといった、判断に不可欠な情報が行政機関ごとに分散していた情報を集約化、担当者個人の経験に頼っていた仕入れ業務を標準化し、開発用地仕入れ全体を支えるプラットフォームとして設計されている。

WHEREの導入後、サステナブルホールディングスの仕入れ現場ではすぐに変化が表れた。土地探しの時間が大幅に短縮され、残業を前提としていた作業が日中で終わるようになったのだ。

「以前は、用地確認や地権者への訪問などで現場に赴く一方、仕入れが上手くいかないと事務所に戻り『また1から土地探しか……』という気持ちになっていました。パソコンをずっと見つめて、肩もこって……という大変さは、WHEREの導入ですべてなくなりました」と同社PV・BESSソリューション部係長の金澤桃子氏は振り返る。

サステナブルホールディングス
PV・BESSソリューション部 係長 金澤氏

新卒社員への研修でも変化は明確だった。WHEREから業務を覚えた新卒社員は、従来の複数サイトを使った調査方法を知ると、「こんなに手間をかけていたのですか」と驚いたという。

業務時間が短縮されたことで、本来注力すべき現地調査や地主との交渉に時間を割けるようになったことも大きな成果だった。

 

用地仕入れの効率化で起こった
組織・販売の変化

WHEREによる変化は、組織のチェック体制と販売にも変化をもたらした。

サステナブルホールディングスでは全国に複数の仕入れ担当者がいるが、それぞれが取得した土地情報や調査状況をシステム上で共有できるようになった。どの土地を誰が調査したか、登記取得の状況、訪問履歴、電力申請へ進める案件かどうか。これらを上長がリアルタイムで確認できるため、責任者による案件チェックも効率化された。

導入効果は数字にも表れている。以前は月60~70件程度だった地権者からの同意取得件数は、導入後には100件を超え、直近では約240件まで増加した。

またWHEREは販売の現場でも一役買っている。

同社の販売部門では、土地仕込み部門が取得した候補地について、系統状況・土地条件・各種法令などを精査し、クライアントへの提案から契約・引き渡しまで一貫して対応している。

WHEREの導入により、法令・ハザード・接道状況・近隣土地の所有状況などを迅速に確認できるようになったことで精査のスピードが向上。迅速な提案を実現した。また、お客様からの質問に対してWHEREの画面を活用。素早く確実なデータを即座に示すことが可能になったのだ。

「DDに要する時間が短縮され、対応スピードと提案の信頼性向上につながっています。」販売を担当している小椋氏は嬉しそうに話した。

サステナブルホールディングス
PV・BESSソリューション部 主任 小椋氏

単なる「土地検索ツール」ではない EPCのパートナーとして進化し続ける

サステナブルホールディングスの現場担当者が特に評価しているのは、検索機能そのものだけではない。「WHEREさんに困っていることを相談すると、改善スピードが非常に速い。今では単なる土地検索ツールというより、一緒に仕事をする“パートナー”という感覚です」(金澤氏)。こうした利用者から寄せられる要望をもとに機能改善を続ける姿勢も、高く評価されている。

WHERE側も、「サービスの目指す姿は単なる検索システムではありません」と説明する。あくまで目標は「地権者とつながること」。候補地を見つけるだけでなく、営業活動や案件管理まで含めて開発用地仕入れ全体を支援し、属人的だった仕入れ業務を再現性のある仕組みに変えていくことを目指している。

WHEREのゴールは、開発用地の仕入れプラットフォームを提供することではない。本当に実現したいのは、ユーザーが地権者との接点を生み出し、信頼関係を築きながら、継続的に開発案件を創出できる状態だ。

その実現を支えるのが専任の「Deal Manager」で、ターゲット選定やアプローチ戦略の立案、ダイレクトメールの送付、反響への対応、接触履歴の管理、データ分析まで一連の用地仕入れ活動を伴走支援する。さらに、その結果をもとに施策を継続的に改善し、成果の最大化を図る。

WHEREではこの仕組みを「Deal Tech」と呼んでいる。テクノロジーだけでなく、人の知見とデータを組み合わせて仕入れ活動を最適化することで、開発案件を継続的に創出できる仕組みを提供する。

用地探しは、これからが本番
新しい市場を見据えて

サステナブルホールディングスの皆様

サステナブルホールディングスでは現状、蓄電所に注力しているが、屋根市場の動向も注視している。

「今後、軽量かつ曲面にも対応できるペロブスカイト太陽電池の普及が進めば、これまで設置が難しかった建物の屋根にも太陽光発電の導入が可能になると期待されています。電気代の値上げは続くでしょうから、自家消費することのメリットは大きくなりますので、屋根上の太陽光発電は活発になっていくと考えています」と、同社取締役の仲地翔也氏は話す。

同社は市場環境を見極めながら、必要なタイミングで新たな領域へ展開できる体制づくりを進めているという。「WHEREを使えば、規模の大きな工場屋根を効率よく探せるなど、利益の最大化につながるでしょう」(仲地氏)

用地仕入れは、もはや経験や勘だけに頼る時代ではない。AIと地理空間データ、そして現場の知見を組み合わせることで、仕入れそのものを「仕組み化」する動きが始まっている。

WHEREは、その変革を支えるプラットフォームとして、現場の生産性向上だけでなく、再エネ事業全体の成長を支える存在へと進化し続ける。

 

 

DATA

取材協力:

株式会社サステナブルホールディングス
株式会社WHERE 
取材・文:大根田康介

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