水没した太陽光発電設備の感電・火災防止へ 経産省が緊急要請

経済産業省は9月25日、台風に伴う大雨や河川氾濫などによる太陽光発電設備の浸水被害を受け、水没した設備による感電事故やショートに起因する火災防止に向けて緊急に注意を呼びかけた。浸水や破損が生じた設備であっても日光が照射されれば発電を継続する特性があるため、復旧作業者や周辺住民への安全管理と二次災害の防止の徹底を求めている。

メイン画像:©Freer/Shutterstock.com

 

水没した太陽光発電設備は
感電事故やショートのおそれ

今年9月の大雨や河川氾濫などにより各地で浸水被害が発生し、太陽光発電設備の水没や破損に伴い安全確保が急務となっている。太陽電池モジュールは、架台の倒壊や浸水によって機器内部が水没・破損した場合であっても、光が当たれば発電を継続し電圧を発生し続けるという技術的特性を持つ。そのため、破損箇所や露出部に触れた場合に感電する危険性がある。

また、水が引いた後であっても、集電箱やパワーコンディショナの内部に残った湿気や泥などの汚損物質により、時間の経過とともにショートを起こして電気火災へつながるリスクが存在する。こうした二次被害を未然に防ぐため、経産省は発電事業者や現場の作業者、地域住民に対して危険性を周知し、安全な取り扱いと適切な復旧手順の遵守を促す目的で緊急要請を行った。

水没した太陽光発電設備の
安全管理を緊急要請

緊急要請では、水没・破損した太陽光発電設備に関する具体的な安全管理策と注意事項が示されている。主な内容として、まず太陽電池発電設備を見かけた場合にはむやみに接近しないよう十分な警戒を求めている。復旧作業にあたっては感電事故を防止するため慎重な作業を徹底し、漂着物や機器へ接触する際の安全確保を求めている。

さらに、集電箱内部やパワーコンディショナ内部といった電気機器については、浸水後に水が引いた段階であっても注意が必要であると強調している。内部に水分や汚損が残存している場合、発火に至るおそれがあるため、復旧作業時には十分な注意を払い電気火災防止に努めることが求められている。発電事業者や関係機関に対しては、電気主任技術者などと連携した適切な現場対応や、自治体・周辺地域への情報共有を通じた安全管理の周知徹底を要請している。

初動保安体制の迅速化と
安全情報の共有が課題

相次ぐ自然災害や気候変動に伴う水害の発生に直面するなか、太陽光発電設備の防災と保安管理体制の強化は重要な課題となっている。今後の課題として、浸水リスクが存在するエリアにおける設備設計と保安管理体制の再点検が挙げられる。ハザードマップ上で浸水が想定される区域に位置する発電所については、機器の設置高さの確保や物理的な防護策といったハード面での対策の検討が求められる。

またソフト面においては、災害発生時における初動保安体制の迅速化と安全情報の共有が課題となる。発電事業者と保守点検事業者は、水没発生時における安全な作業手順の整備や緊急連絡網の運用を徹底し、地域の消防や自治体と連携した安全確保策を講じる必要がある。水没設備による事故を未然に防ぎ、地域社会の安全と信頼を維持するための実効性ある保安管理の運用が求められている。

DATA

水没した太陽電池発電設備による感電やショートによる火災の防止についてのお願い
URL:https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/oshirase/2026/09/260925_00001.html


取材・文/ソーラージャーナル編集部

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