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台風を克服せよ! 日本型風車が世界を変える!?

風力発電の累積導入量が全世界で5億kWに到達する一方、日本ではなかなか風力発電の導入が進まず、「風力先進国」に遅れを取っている現状がある。しかし、日本も風力発電ポテンシャル(最大導入可能量)では決して見劣りしていない。日本が抱える課題は何か。風力学会の第一人者・足利工業大学理事長の牛山泉氏にお聞きした。

日本型風車の誕生

日本には、地理的特性に起因する課題もある。1年を通して安定した風が吹くヨーロッパなどとは違い、台風や乱流に注意しなければならない。かつて、それらが風力発電の足枷になっていた時代もあったが、じつは今日では、ほとんど課題は解消されている。牛山氏が委員長となって策定したNEDOの「日本型風力発電ガイドライン」が活かされているからだ。このガイドラインは、台風・強風・風の乱れ、あるいは落雷によって、運転停止や機器の損傷が起きないよう、設計技術や機器選定、保護対策等についてまとめたもの。実際、このガイドラインに従った日本型風車は、ほとんど事故を起こしていないということだ。牛山氏は、「日本型風車のノウハウは、東南アジアなど類似した気候条件の国々にも貢献できる」と期待する。

可能性の先へ

日本の風力発電には課題も多いが、日本型風車の例からも分かる通り、その解消に向けた動きは着実に進んでいる。また、周囲を海に囲まれた日本ならではの洋上風力発電設備など、世界をリードする技術も極められようとしている。長期間を要した環境アセスメントについても、期間短縮の効果が実を結びつつある。日本の風力発電は、いま可能性に満たされているのだ。

 


取材・文/廣町公則

『SOLAR JOURNAL』vol.23より転載

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