「新エネルギー基本計画」原発は22~20%で維持へ
2018/07/11
経済産業省は、2018年7月3日、第5次となる新しいエネルギー基本計画を閣議決定。そこで示された、再生可能エネルギーと原発の立ち位置とは、どのようなものか。
新たに第5次エネルギー計画を策定
2030年と2050年への方針を示す
経済産業省は、2018年7月3日、新しい「エネルギー基本計画」を閣議決定した。
エネルギー基本計画は、2002年6月に制定されたエネルギー政策基本法に基づいて政府が策定する。安全性や安定供給、経済効率性の向上、環境への適合といった方針に則り、エネルギー政策の基本的な方向性を示す。今回閣議決定された計画が、第5次エネルギー基本計画となる。
新計画では、「東京電力福島第一原子力発電所事故の経験、反省と教訓を肝に銘じて取り組むこと」などを原点としながら検討し、2030年および2050年への方針を示した。それぞれの大枠として、2030年に向けては「温室効果ガス26%削減に向けて、エネルギーミックスの確実な実現」、2050年に向けては「温室効果ガス80%削減を目指して、エネルギー転換・脱炭素化への挑戦」を掲げた。
再生可能エネルギーを主力電源化へ
原発は依存度低減としつつも「再稼働」
具体的な項目として注目されたのが、再生可能エネルギーと、原子力発電についての内容だ。
再エネについては、2030年に向けて「主力電源化への布石」と明記。具体的な数値目標として、震災前は10%だったものを22~24%へと2倍以上に引き上げる。そのためのキーワードとして「低コスト化、系統制約の克服、火力調整力の確保」を挙げた。そして2050年には「経済的に自立し脱炭素化した主力電源化を目指す」とし、水素・蓄電・デジタル技術開発に着手するとした。
その一方で原子力については、2030年に向けて「依存度を可能な限り低減」としながらも、数値目標は、震災前は25%だったものを2030年に22~20%と微減にとどめた。また「不断の安全性向上」とのただし書き付きではあるが「再稼働」と明記。さらに2050年に向けても「脱炭素化の選択肢」として、「安全炉追求・バックエンド技術開発に着手」などとの姿勢を示した。