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【インタビュー】モジュールメーカーに訊く! 2019年の戦略は?

いよいよ11月に迫る、住宅用太陽光発電の「卒FIT」。PV関連企業はどのような戦略を練っているのだろうか? 注目のモジュールメーカー8社のエグゼクティブに話を伺った。

ジンコソーラーは
3年連続で出荷量世界一に!

中国で昨年5月にあったFIT見直し政策ですが、今年は新しい政策も始まるため、中国市場は再び伸びていくでしょう。当社は2018年の出荷量が11.6GWとなり、3年連続で世界一となる見込みです。そのうち日本市場でのシェアは約15%あります。2019年の出荷量は世界で最大16~18GWまで増える計画です。

日本市場に当社が参入したのは2013年のことなので、同業他社に比べて後発でした。だからこそ今がチャンスだと考えています。2019年は、2018年の出荷量ベースで40%増加する予定です。

日本のFIT価格については、14円はまだ高いと考えています。世界ではFITが終了している国もあります。むしろお客様は、補助金よりも高出力を重視しているでしょう。当社では、Cheetahシリーズ傘下の高効率両面発電モジュール「Swan」をリリースしました。重量がとても軽く、またノーフレームで取り付けの際のデザインもすっきりします。



いま、私達ジンコソーラーは、蓄電池やパワコンにまで手を出そうとは考えていません。むしろ日本でそのような事業を展開するときには、日本のメーカーと協力していくでしょう。これからも当社は地元企業とともに、より良い製品を提供できるように努力したいと思います。

PROFILE

ジンコソーラー株式会社 副社長

銭晶氏

ライセンエネルギーは
DMM.comと協力し
日本全国へ展開

当社は世界的な高性能太陽光発電モジュールメーカーで、1986年に設立し2010年に深セン証券取引所に上場しました。現在ではドイツ、インド、オーストラリア、チリ、メキシコ、アメリカに事務所を構えています。高度に自動化された製造施設での生産キャパシティは年間8.6GWを超えました。

今年1月には、第三者認証機構TÜV(TÜV-SUD)の認証試験で、当社のイエガー(JÄGER)HPシリーズの72セルサイズモジュールの変換効率が21%に達し、その時点でのPERCモジュール変換効率の世界記録を書き換えました。

今年は日本の政策によって当社も戦略を調整しています。計画中のプロジェクトも今年中に完了させたいと思います。また、日本最大の小売販売会社DMM.comと協力し、彼らのネットワークを借りて宣伝なども含めて日本全国に当社製品を展開しています。できるだけ早く日本市場でもシェアを広げていきたいと考えています。


またEPC事業者に製品を納入し、発電事業者と協力してメガソーラーの投資事業も行っています。これらは以前から準備していて、最近成果を上げられた具体例です。

政策の変化によって、今後は市場のニーズも多様化するでしょう。そうしたニーズに応えていけるよう、より一層消費者と信頼関係を築いていきたいと思います。

プロフィール

ライセンエネルギー株式会社
CEO

Xie Jian氏

テルサンソーラーは
トレンドにあわせて
ビジネスチャンスを掴み取る

2018年のルール改正は、当社にとっては貴重なビジネスチャンスです。もともと、当社のモジュールで申請している未稼働案件はそれほど多くありませんので、2020年3月までを勝負の時期と捉えて、このチャンスをしっかり掴みたいと思います。

いま、日本市場では、高効率モジュールを求める声が高まっています。当社はこの度、生産ラインを改造し、高効率モジュールの年間生産キャパシティを、5GWから8GWまで高めました。モジュール1枚当たりの発電量UPによって、長期的な利益を増やすことが可能になります。

FIT価格の低減に対応するためのコストダウンについては、大量生産体制を整えることで実現していきます。当社の主力製品は380Wと390Wのハーフカットセルモジュールですが、2020年春頃には、出力を大きく高めた410Wモデルをリリースし、市場の要望に応えたいと考えています。




当社は、中国国内で累計5GWの自社発電所の建設実績があり、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、アルゼンチン、日本などの国で1GWの高圧発電所を建設しています。そこで自社製モジュールを使用して、製品の開発・研究にフィードバックしています。

当社は、日本市場でも多くの出荷実績があり、今まで2MW未満の高圧案件をメインとして開発してきましたが、これから低圧と特別高圧案件も参加する予定です。

プロフィール

テルサンソーラー
最高経営責任者

陳 波瀚氏

セラフィムソーラーが
日本を重要地域として
捉える理由は?

当社は2011年に設立して、初年度は年間出荷量70MWからスタートしました。現在は、グローバルの年間生産キャパシティは5GWまで成長しました。内訳は、中国国内が3割、残りは海外です。昨年5月の中国政府の政策は想像もつかず、一時的にセル価格が下落しました。3ヶ月ほど影響は受けましたが、7割が海外市場ですので、中国シェアの大きい企業に比べて影響は少なかったと思います。

我々は日本市場を、オーストラリアと並んで特に重要な地域として捉えています。なぜなら、政策の変動が激しい他国と比べて、この2ヶ国は出荷量が多く、かつ安定しているからです。

私はモジュールメーカーの立場から、FIT導入後の日本市場の急成長を見てきました。いま感じている変化は、価格よりも高出力が重視されてきていることです。大型案件への導入も始まっていますが、同じ土地面積ならば、より高出力な製品が選ばれています。25年間、発電量を維持させたいという意識も高まっているため、高出力・高品質が日本のこれからのトレンドでしょう。



当社は、世界初開発となるシングルドセル技術を用いた高性能モジュール「イクリプス」シリーズを出荷しています。高出力のハーフカットセルも生産しており、この1年間で500MWから1GWへ、生産キャパを増やす予定です。お客様のニーズに応える製品で、日本市場に貢献してまいります。

プロフィール

株式会社セラフィムソーラージャパン
社長

崔 娟娟氏

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