創業100周年のベントレー、最新EVコンセプトカーに”感情を検知するAI”を搭載
2019/08/16
地球に悪影響を及ぼすCO2の排出量を減らそうと、自動車メーカーが本気の取り組みを見せている。創業100周年を迎えたベントレーは、EVコンセプトカー「EXP 100 GT」を発表。"2035年"を見据えた革新的なEVクーペの全貌に迫る。
次の100年に期待が膨らむ
ベントレーのEVスポーツクーペ
2019年7月10日、高級車メーカーとして知られているイギリスのベントレーモーターズが誕生から100年を迎えた。これを記念して発表されたのが、EVコンセプトカーの「EXP100 GT」である。
流麗な2ドアクーペで、ドアは乗り降りしやすいように上に跳ね上がる。上の写真で分かるように、フロントマスクにはベントレーらしい優雅さが漂う。
最高級品質のコットンやレザーのような手触りの100%オーガニックの生地をインテリアに採用。この生地はワインの製造工程で生まれるものだ。
ガラスルーフにはプリズムが組み込まれ、ルーフから差し込む光は光ファイバーによりキャビンに送られる。だからオープンカーのように開放的だ。
ボディ素材には軽量なアルミと強靭なカーボンファイバーを採用し、カラーリングにはもみ殻をリサイクルした原料を使用。ベントレー伝統のクラフトマンシップに加え、サステナビリティを重視した新しい素材をふんだんに用いている。
電動パワートレインもすごい。4基の電気モーターを駆動させ、最高出力は1300馬力以上、最大トルクは1500Nmを絞り出す。最高速度は300km/h、0〜100km/h加速は驚異的な2.5秒以下だ。
ポルシェやフェラーリを寄せ付けず、しかもバッテリーのエネルギー密度は従来型の5倍とした。だからわずか15分でバッテリー容量の80%を充電することができ、航続距離は700kmを達成している。
また、感情を検知するAI(人工知能)を搭載し、乗る人に合わせてカスタマイズできるようにした。自動運転を前提としているが、運転しても楽しいのがベントレーならではのこだわりだ。
取材・文/片岡英明
SOLAR JOURNAL vol.30(2019年夏号)より転載