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超小型のバイオマス発電プラントがやってきた!

日本でも販売開始! 小型木質バイオマス発電の波がやってくる?

地域資源を活かして地域に利益を還元する木質バイオマス発電。小型の発電事業に関しては、地域で調達できる燃料で事業を回していく計画が立てやすいため、新規参入のしやすさという面で注目が集まっている。

とはいえ、まだ日本での導入費用は高く、思ったように普及が進んでいないのが現状である。そんななか、3月2~4日に行われた第1回バイオマス発電展でひと際来場者を集めていたのが、フィンランドの熱電併給小型木質バイオマス発電プラント「Volter 40」だ。

バイオマス発電のイメージを一新するスタイリッシュなデザイン。
高さ約2.5m、長さ約4.8m、幅約1.3mと超小型なサイズ感で、1基あたり、40kWの電気と100kWの熱を作り出す。
フィンランドの農村を中心に広がっていたが、イギリスの都市部のショッピングモールなどでも需要が急増しているという。

sj_VOL_20160509_02Volter 40の設備概要 出典:VOLTER JAPAN

1日約1トン(4.5㎥、含水率15%以下)の燃料でフルパワー運転が可能。近隣で調達可能な燃料量に合わせて台数を増やすことができるため、地域で調達できる燃料量、エネルギー需要に合わせたプラントサイズでの開発が可能だ。
年間7,800時間(325日)の連続運転を実現し、燃料供給から発電までの全自動運転、遠隔監視の機能も備わっている。

また、超小型であるため、今ある建屋を利用することもでき、設置のための新設工事費の削減が図れる。今後は日本製の部品を使用することで、販売価格を下げていく予定だという。

 

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VOLTER JAPAN代表取締役CEO 岩崎聡樹氏(左)と、VOLTER JAPANが本社を構える北秋田市の市長 津谷永光氏(右)。

日本で「Volter 40」の販売を行うVolter Japanは、同イベント内で会見を開き、日本での販売開始を発表した。年間目標販売台数を150台とし、まだ参入が難しいと言われる木質バイオマス発電市場を盛り上げていく。

代表取締役CEO岩崎氏は、「日本国内の小型バイオマス発電市場は、まだまだ存在していないに等しい。Volter 40の販売を通し、小型バイオマスの市場を作ることを一番の目的にしていきたい」と意気込みを語った。「市場の構築にはメンテナンスやオペレーションの体制を整えることが重要。多くの企業と情報を共有しながら、まずは基準を作っていきたいと考えています」(岩崎氏)。

日本での第一号は、林業がさかんな秋田県北秋田市の道の駅に設置。今年4~5月に稼働開始予定だ。

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