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大和ハウス「トラッキング付非化石証書」で2040年再エネ100%へ

建設・住宅業界で世界初、「EP100」と「RE100」に同時加盟を果たした大和ハウスグループ。2020年4月から本格的に再エネ電気の活用に乗り出す。再エネ発電所の属性情報を示す「トラッキング付非化石証書」の利用に注目が集まる。

再エネ発電から小売まで
自社グループ内で完結

大和ハウスグループは、2020年度中にグループ全体の電力使用量のうち、約7%を再生可能エネルギーとする。2021年度には10%、2030年度には30%と段階的に引き上げる。最終的に、2040年度に100%を目指す。

4月1日からは、大阪・東京本社など、全国38の事務所や施工現場へ再生可能エネルギーを導入する。 再エネによる年間の電力使用量は、34,700MWh(事務所等28,000MWh、施工現場6,700MWh)となる見込みだ。

同社グループのメガソーラーや風力発電所からのFIT電源を利用。合わせて「トラッキング付非化石証書」を取得する。小売電気事業者には、同じくグループ会社の大和ハウス工業、大和エネルギー、エネサーブを起用する。

FIT電源は、電気そのものの価値と非化石価値が切り離されている。そのため、特定の再エネ発電所からの電気と証明するには、「トラッキング付非化石証書」を合わせて購入しなければならない。

トラッキング付非化石証書には、設備IDや発電設備名、所在地など9つの属性情報が付与されている。


再エネ活用、省エネにも力を注ぐ

大和ハウスグループは、早くから再エネ資源の有効活用に力を入れている。2007年、愛知県佐田岬に9MWの風力発電所を設置。

2015年には、岐阜県飛騨市に約2MWの水力発電所を建設し、水力発電事業に参入した。自社施設の屋根などにも太陽光発電を導入している。

2018年3月には、国際イニシアチブ「EP100」「RE100」に加盟した。「EP100」とは、事業のエネルギー消費効率を倍増させることを目指す国際イニシアチブだ(EP=Energy Productivity)。省エネ効率を50%改善することなどを目指す。EP100に加盟した日本企業は、同社が一社目。

事業活動で使用する電気を100%再エネとする国際イニシアチブ「RE100」への加盟は、日本企業として4社目で、EP100・RE100双方への参加は、当時、建設・住宅業界で世界初と評価された。

気候変動に関する事業リスクなどの開示を求める国際NGO・CDPによる「CDP気候変動レポート」において、同社は2018年と2019年、最高スコアのAランクを獲得している。


DATA

再生可能エネルギー由来の電力を事業所および施工現場に本格導入開始


文/山下幸恵(office SOTO)

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