風力VS太陽光!これからはどっちだ?
2016/11/10
「浮体式洋上風力発電所」が主力になるって本当?
期待していい?
現在、日本では長崎県や福島県で計4件、世界では数件の浮体式洋上風力発電の実証試験が実施中もしくは計画中です。浮体式の技術は確立されつつあり、中でも日本は世界をリードしています。
浮体や建設費などの低コスト化を含めて課題もありますが、2050年には風力全体の設備容量の約1/4を浮体式が担うと当協会は予測しています。ご期待ください。
「環境アセスメント」って4〜5年かかるらしいけど、もっと迅速化できないの?
いま、国では環境アセスの期間を半減させる方向で検討が進んでいます。環境アセスの迅速化が実現すれば、風力発電の追い風になります。将来のFIT価格の前倒し発表、連系協議開始の早期化などと組み合わせれば、事業予見性が一層改善され、風力への投資も拡大しそうです。
風力発電の低周波音が体に悪いってホント?
低周波音に懸念をお持ちの方もおられますが、風車からの低周波音が人体に影響を与える、という科学的な知見は今のところ存在しないのが現状です。
当協会では、低周波音について理解を深めてもらえるよう、パンフレット類を作成し、自治体などに配布しています。皆さんに風力発電を応援してもらえるよう、不安を抱く方の話をしっかり聞きつつ、粘り強く理解を求めたいと考えております。
ぶっちゃけ、「風力の時代」っていつ来る?
停滞していたものが動きだすという観点でみれば、日本にもこれから「風力の時代」が到来すると考えています。昨今、環境アセスが完了した案件が増えつつあります。検討が進む環境アセスの短縮化が実現すれば、風力は今後順調に増え、FITの恩恵もようやく目に見えて現れるはずです。
2020年代には、10GW超の風力が導入されるでしょう。
高本 学
一般社団法人 日本風力発電協会 代表理事
九州大学電気工学科卒、1980年4月株式会社日立製作所入社。日立事業所副事業所長、電気システム事業部長などを経て、2015年4月より新エネルギーソリューション事業部長。2014年5月に日本風力発電協会代表理事に就任。
文/具志堅 浩二
※『SOLAR JOURNAL』vol.17より転載