編集部からのお知らせ

他社間の自己託送、ついに解禁! 組合設立や再エネ電源の新設などの要件とは?

自己託送はこれまで、同一の企業間やグループ会社間でしか認められていなかった。しかし、11月中旬の制度改正により、組合設立などを要件に異なる企業間での自己託送もできるようになった。他社間での自己託送を実現するための要件とは?

他社発電所との自己託送を認める
「密接な関係」を一部緩和へ

11月18日、経済産業省が『自己託送に係る指針』を改正した。改正のポイントは、発電事業者と需要家の「密接な関係」の条件が一部変更されたことだ。発電事業者と需要家が共同して組合を設立し、いくつかの要件を満たせば、組合の構成メンバー間で自己託送が認められることになった。

自己託送とは、需要地の外にある自社発電所から別の自社設備へと電力を送る仕組み。これまでは、発電事業者と需要家が同一企業やグループ会社など「密接な関係」を有することが自己託送の条件だった。つまり、資本関係のない他社の発電所からの自己託送はできなかった。

今回の改正によって、自社発電所をもたない需要家でも、要件を満たせば発電事業者から電力を直接調達できるようになった。通常の電力購入と違い、自己託送では再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)が免除される。そのため、需要家の電力コストを削減すると期待されている。

要件に組合の存続や発電所の新設
新たなオフサイトPPAがスタート

新しく『自己託送に係る指針』に定められた要件は、発電事業者と需要家をメンバーとする組合が長期にわたって存続することや、電気料金の決定方法や送配電工事費用の負担方法が明らかになっていることなどだ。

対象となる発電所は、組合のメンバーが新しく設置した再生可能エネルギー発電所に限られる。すでにある発電所を活用する場合は対象にならない。また、組合のメンバーみずから発電所の維持や運用も行うこととされた。

異なる企業間の自己託送が可能になったことで、発電事業者と需要家が直接契約する「オフサイトPPA」の新たな形態が解禁されたといえる。

DATA

経済産業省『自己託送に係る指針』 令和3年11月18日


文:山下幸恵(office SOTO)

関連記事

太陽光関連メーカー一覧

アクセスランキング

  1. 【飯田さんコラム】新築住宅への太陽光発電設置義務化。東京都から全国へ広がる動き...
  2. 東京都の「太陽光義務化」2年間の準備期間を経て2025年春動き出す
  3. 【参加受付中!】2025年6月10日(火)「第34回PVビジネスセミナー」
  4. 積水化学工業がペロブスカイトを量産化! 2030年にはGW級の製造ライン構築を目指す...
  5. EPCの設計者必見! 蓄電池併設のFIP転やPPA「DCリンク」で収益を向上させる方法...
  6. 『SOLAR JOURNAL』“蓄電池ビジネス”特集号 5/27発行!
  7. EMS関連の国内市場 2040年にかけ中小規模の施設でも導入拡大へ
  8. 【EMS専門家が監修】系統用蓄電池のビジネスモデル、他社に差をつけるためのEMSの基礎知識...
  9. HUAWEI 新型蓄電システム、3機種を一挙公開 産業用・住宅用ともに「安全性」を徹底追求...
  10. 第7次エネルギー基本計画を閣議決定 太陽光の比率を 23~29%程度に変更...
広告お問い合わせ 太陽光業界最新ニュース

フリーマガジン

「SOLAR JOURNAL」

蓄電池特集号 | ¥0
2025/5/27発行

お詫びと訂正

ソーラー電話帳 SOLAR JOURNAL メディアパートナーズ