“脱炭素投資”が太陽光発電に流れこむ! 相次ぐ大規模な資金調達や投資
2022/03/09
太陽光発電プロジェクトに対して大きな資金が流れている。2022年1月には、太陽光発電の大規模なプロジェクトボンドなどが相次ぎ、「グリーン投資」と呼ばれる脱炭素に向けた投資が本格化する兆しが見えてきた。
プロジェクトボンドで40億円調達
太陽光に寄せられる投資家の期待
1月18日、リニューアブル・ジャパンは太陽光発電のプロジェクト資金として、プロジェクトボンド方式で40億円を調達したと発表した。プロジェクトボンドとは、プロジェクトの資金を債権化し投資家から調達する手法。今回のプロジェクトをアレンジしたのは、今回を含め2022年2月までに13件のアレンジ実績を有するバークレイズ証券だ。
今回調達された資金は、三重県四日市市に建設される10.5MWの太陽光発電プロジェクトに充てられる。リニューアブル・ジャパンにとっては11件目のプロジェクトボンドとなり、これまでの発行総額は902.5億円となった。
2012年に設立されたリニューアブル・ジャパンは、再生可能エネルギー発電所の開発や運営・管理などを行い、2021年12月に東京証券取引所のマザーズ市場へ上場を果たした。
稼働中の発電所取得に350億円
効率アップさせ発電量を伸ばす
一方で、稼働中の太陽光発電所を取得する動きも活発化している。森トラストとLooopは、協働で取得した太陽光発電所の発電効率を向上させるなどの付加価値の向上に取り組むため、業務提携契約を結んだと明らかにした。
森トラストは総額350億円の投資枠を設定し、FIT認定を受けた太陽光発電所の取得を進めるという。同社は、近年、太陽光発電の適地が減っていることを問題視し、2030年に向かって太陽光の発電比率を増やすには、すでにある太陽光発電所の発電効率を向上させる必要があるという認識をもっている。
政府は、第6次エネルギー基本計画で、2030年の電源構成のうち14〜16%を太陽光発電とする見通しを掲げている。
DATA
文:山下幸恵(office SOTO)