【2021年度FIT】太陽光第11回入札、平均落札価格は9.99円に。募集容量には達せず
2022/04/05
3月4日に発表されたFIT太陽光第11回入札の結果は、加重平均落札価格9.99円と10円を下回った。FIP制度開始前の最後の入札となった今回、事前に予想された通り多くの入札が集まったものの、募集容量には達しなかった。
FIP制度開始直前の太陽光入札
募集容量にわずかに及ばず
2021年度第4回目となる、FIT太陽光第11回入札の結果が3月4日に開示された。低炭素投資促進機構によると、募集容量278.5946MWに対し268.7099MWの応札があり、同量が落札された。2021年度の入札では過去3回とも入札容量が募集要量を超えたが、今回初めてわずかに募集容量に届かなかった。
あらかじめ公表されていた上限価格は10.25円/kWhで、前回から0.25円/kWh引き下げられた。入札の結果、最高落札価格は10.25円/kWh、最低落札価格は8.99円/kWhで、加重平均落札価格は9.99円/Whと10円を切った。
今回の落札件数は273件。前回の第10回では81件、第9回では192件だったことと比較すると、4月からのFIP制度の開始前最後の入札であり落札件数が伸びたと考えられる。個別の落札案件に目を向けると、ENEOSの12MW、18MWという2案件の規模が突出して大きい。
2022年度の事業用太陽光は、FIP認定の場合1,000kW以上、FIT認定の場合250〜1,000kW未満が入札の対象となる。入札の回数は今年度と同様に年4回で、上限価格はそれぞれ、1kWhあたり10.00円、9.88円、9.75円、9.63円と公表されている。
なお、2022年度からのFIT・FIP入札業務は、低炭素投資促進機構から電力広域的運営推進機関(OCCTO)へ移管される。
再エネ賦課金は5月から3.45円
燃料費調整単価も値上げ続くか
3月25日には、2022年度の再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)の単価が発表された。再エネ賦課金単価は3.45円/kWhとなり、今年度の3.36円/kWhから0.09円の増額だ。
資源エネルギー庁によると、1ヶ月の電力使用量が260kWhという標準的な家庭モデルの場合、再エネ賦課金は月額897円、年額10,764円となり、今年度より年額288円アップする。新たな単価の適用は、2022年5月検針の電気料金からだ。
電気料金に関しては、再エネ賦課金だけでなく燃料費調整額も値上げの傾向が続いている。燃料費調整額は、数ヶ月前の電力会社による石炭や石油、天然ガスの調達コストが反映されるため、世界情勢を考慮すると今後も値上がりする可能性が否定できない。
こうした背景から、電気料金のコスト削減においても太陽光発電を自家消費することの重要性がますます高まりそうだ。
DATA
一般社団法人 低炭素投資促進「太陽光第11回入札(令和3年度第4回)の結果について」
資源エネルギー庁 ニュースリリース
文:山下幸恵(office SOTO)