傾斜地の土砂災害は“緑の力”で防ぐ。吹き付け施工で地盤を固める「ポリソイル緑化工」
2022/05/09
緑化工事のプロフェッショナル、丸八土建が提供する「ポリソイル緑化工」。吹き付けるだけでスピーディに地盤を固め、濁水や浸食の被害を即座にストップする。青々と芝の広がる発電所から施工の様子をリポートする。
真砂土の傾斜地も青々と緑化
春から夏前がベストシーズン
4月上旬、半年前に敷地の半分に丸八土建の「ポリソイル緑化工」を施したという茨城県の発電所を訪れると、一面に牧場のような芝が青々と広がり、日光を受けて輝いていた。取材に訪れた日は、残る5万平方メートルに対して緑化工事が行われていた。
その発電所は真砂土の傾斜地で、雨が降るたびに濁水が発生していたという。側溝には泥水が溜まり、板を立てて濁水の流出を防いでいたが、それでも完全には防げなかった。近隣に施設などもあることから、オーナーはポリソイル緑化工の実施を決めたという。半年前の施工で濁水や浸食の被害が解消されたことから、今回、残りの敷地への施工に至った。「昨年、熱海市で大規模な土石流災害が発生したこともあり、発電所の濁水や浸食対策に対する意識の高まりを感じています」と丸八土建の橋本智弥社長は語る。
同社のポリソイル緑化工では、4〜5種類の種子をアクリル系の土壌浸食防止剤に混ぜ、地面に満遍なく吹き付ける。施工後は数日で自然乾燥し、すぐに浸食防止効果が発揮される。梅雨前のベストシーズンであれば2〜3週間ほどで発芽する。同社では、もっとも効果を発揮するように、発電所の立地や条件などによって種子の配合を工夫している。施工にあたって発電所の稼働を停止する必要はなく、法面ほどの急勾配でも問題なく施工できるという。
また、同社では、地盤を真っ白に吹き付ける「ホワイトコート吹付工」も展開する。ホワイトコーティングの効果について、両面受光パネルの発電効率が30%以上アップすると示す大手パネルメーカーもある。より長期間にわたって雑草を防ぐ「防草コート吹付工」も提供しており、多くの問い合わせが寄せられているという。法面工事を通して地域のインフラを支えてきた丸八土建が、太陽光発電分野に画期的なソリューションを提示する。
一面に草を生やして
強固な地盤に!
真砂土の地面は雨で浸食されていた
建設時に、地盤に固化材で安定処理を施したものの、度重なる雨水によって削られていた。大雨の後は濁水が側溝に流れ込み、頻繁に土砂の撤去作業を行っていた。板柵や暗渠管といった対策も、緑化工を施していない状態では十分に機能せず、緑化工の必要に迫られていた。
簡単吹き付け施工で地盤を固める!
地面をムラなく覆い尽くすように、満遍なく散布する。ポリソイル緑化工に用いる土壌浸食防止剤は農作物や動物などに対しても安全であることが示されている。1日あたり平均3,000平方メートルの施工が可能だという。
吹き付け直後から地面が固まりはじめる
ポリソイル緑化工は、吹付後3日ほどで土壌が固まる。雨が降っても流されることはなく、その雨をきっかけに種子が発芽する。仮に、施工時期が植生適期と合わない場合でも、緑化基盤は半年以上の耐用期間があるため、確実な緑化が期待できる。
施工から2~3週間で草が生えて地盤が強固に
春先から夏前のベストシーズンには2〜3週間ほどで草が生い茂る。緑化を知り尽くした丸八土建が独自に種子をブレンドし、パネルの日陰でもしっかりと生育する。また、パネルを超える背丈に育つこともなく、発電量に影響しないよう配慮されている。
建設当初、発電所の地盤にはセメント系固化材で安定処理を施していたが、程なく、雨が降ると濁水が流れるようになった。ポリソイル緑化工の施工後は一面が芝に覆われ、濁水や浸食をしっかりと抑制。オーナーの評価も高い。
こちらも注目!
両面受光パネルの発電量UP!
ホワイトコート吹付工
地面を真っ白に吹き付けることで、反射光量を向上。両面パネルの効率がアップする。
雑草の繁茂を長期間抑制!
防草コート吹付工
2006年3月 ジオベスト(防草剤)施工事例
樹脂や除草剤、防草剤(ジオベスト)を組み合わせ、より長期にわたって雑草の抑制効果を発揮する。
PROFILE
株式会社丸八土建 代表取締役
橋本智弥氏
全国各地の現場を飛び回り、施主のニーズに120%応える橋本社長。丸八土建は1961年の創業以来、三重県を中心に法面工事を通して自然環境の再生に力を入れている。
問い合わせ
株式会社丸八土建
三重県多気郡大台町江馬668-1
TEL:0598-76-0100
取材・文:山下幸恵(office SOTO)
撮影:松尾夏樹
SOLAR JOURNAL vol.41(2022年春号)より転載
Sponsored by 株式会社丸八土建