編集部からのお知らせ

いよいよ日本でも始動! 欧州で常識の風力発電所?

世界の再エネは、風力発電が主役。その発電量は、太陽光をはるかに凌ぐ。日本では太陽光に押され気味だった風力だが、真価を発揮するのはこれからだ。MW級の大型風車をいくつも連ねたウィンドファームが、日本の新しい風景になろうとしている。今回は陸上のプロジェクトを紹介する。

建設・保守用道路は、
地元の造林事業者と共用

稜線に連なる美しい風車群。6月に営業運転を開始した「ウインドファーム浜田」(島根県浜田市)だ。ソフトバンググループのSBエナジーと、三井物産が共同出資する特別目的会社「株式会社グリーンパワー浜田」が運営する。

設置された風車は1基あたり1・67MW。合計29基が立ち並び、合計出力は48・43MWに達する。年間予想発電量は約8500万kWh/年、一般家庭約2万3600世帯分の年間電力消費量に相当する。ハブ高は70m、ローター直径は74m、地上からブレード先端までは107m。最も高いところで標高約1000mの場所に位置している。

sj_meg20161021_4

建設・設置作業の様子。

欧州では一般的な集合型風力発電所=ウィンドファームだが、これまで日本では、あまり見られないものだった。しかし、プロジェクトは着実に動いていた。長期にわたる環境アセスメントを経て、いくつかのウィンドファームが運転開始に至っている。「ウインドファーム浜田」も、その1つだ。

ソフトバンクグループでは、同風力発電所を「地域と共存する再生可能エネルギーの象徴的な存在にしていきたい」(同広報室)と話している。さらに今後、「地域との共存に向けた取組みとして、今回の開発に伴って新設した建設・保守用道路を地元の造林事業者と共用する」という。

なお、同風力発電所は、次のような技術的特長を有している。①電圧110 kVに昇圧し、中国電力系統に連系。②風車サイトから連系変電所まで約10kmの埋設ケーブルにて送電。③風の吹く方向に追従して、風を効率よく電気エネルギーに変換できるよう制御。④雷対策として落雷検知による自動停止機能を装備など。サイト内には技術員が常駐する。


取材・文/廣町公則

関連記事

2015/10/01 | 編集部からのお知らせ

風力発電入門講座① 風力発電の課題と可能性

2016/02/08 | 編集部からのお知らせ

“羽根のない”風力発電機

太陽光関連メーカー一覧

アクセスランキング

  1. 【受付中】2/13 東京都の補助金で加速!《エネマネ》セミナー ~EV、充電設備、ERAB最新事情~...
  2. 【北村コラム】快進撃が続くドイツの太陽光発電
  3. 耐久性と発電効率の両立 京セラの多雪地域向け太陽光パネルの革新性
  4. 【環境省】2月3日から脱炭素先行地域の第6回募集を開始「来年度中に100地域の選定を目指す」...
  5. 放射冷却素材『SPACECOOL』で問題解決 熱トラブル停止「ゼロ」を達成した方法を初公開...
  6. 【入門】脱炭素時代を生き抜く! エネルギーマネジメント・脱炭素の基礎知識をわかりやすく解説...
  7. 『SOLAR JOURNAL』最新冬号1/31発行!《日本の未来を照らすPV TREND 2025》
  8. 【第7次エネルギー基本計画の原案公表】40年度に太陽光は22~29%程度、風力は4~8%程度...
  9. 【Tesla】「Model Y」新モデル発表!未来志向のデザインと快適性を追求
  10. 【参加受付中!】2025年4月22日(火)「第33回PVビジネスセミナー」
広告お問い合わせ 太陽光業界最新ニュース

フリーマガジン

「SOLAR JOURNAL」

vol.52 | ¥0
2025/1/31発行

お詫びと訂正

ソーラー電話帳 SOLAR JOURNAL メディアパートナーズ