【3/22まで】ソーラーシェアリング推進連盟がパブリックコメントを実施 「遮光率30%未満」などの再検討を要望
2026/03/18
一般社団法人ソーラーシェアリング推進連盟は、今年1月に農林水産省が示した「望ましい営農型太陽光発電の考え方(案)」に対し、現場の実態に即した制度改善を求める改訂提言書を3月下旬に提出する。これに先立って、広く意見を募るパブリックコメントを実施している。
農林水産省が
今年1月に最終案を公表

望ましい営農型太陽光の考え方(案)出典:農林水産省
1月23日に公表した最終案では、発電設備の構造や栽培品目、地域共生のあり方について具体的な要件を示している。「望ましい営農型太陽光の考え方(案)」の3つの柱は、(1)発電設備の形状:一般的な農業の継続を重視、(2)営農の内容:食料安全保障への貢献、(3)地域との共生:利益還元と合意形成となっている。
このうち、「発電設備の形状」については、将来にわたって機械作業を含む一般的な農業が継続できる設備であることを求めている。具体的には、遮光率が30%未満であること、適切な日射量を確保し、収量減少を防ぐこと、作業性を確保するため、最低地上高や支柱間隔が、農機具の作業に支障ない構造であることを挙げた。
「営農の内容」については、単なる売電目的ではなく、確実に営農継続が図られて農業者の所得向上を前提とする考えを示している。栽培する品目は、遮光環境下でも一定の収量が確保でき、食料安全保障に資する「米・麦・大豆」を推奨している。営農者の適格性は、地域計画に位置付けられ、当該品目での生産・販売実績を持つ者であることとしている。その一方で、不適切な事例として、毎年の収穫に適さない観賞用植物(サカキ、シキミなど)や、遮光率制限により栽培が難しくなる品目(ミョウガ、キノコ類など)は「望ましくない」位置づけとなる 。
「地域との共生」については、地域社会の一員として認められるため、地域の合意形成や利益還元のあり⽅を明確化にするよう求めている。具体的には、周辺住民や地域の農業者との合意形成がなされていること、発電事業者から営農者へ適正な利益還元が行われること、将来的な設備撤去費用の確保が確実であることを示している。
遮光率30%未満などの
再検討を要望
一般社団法人ソーラーシェアリング推進連盟は、今回の最終案に盛り込まれている「遮光率30%未満」「品目限定」「収量規制」などについて、再検討を要望している。このうち、遮光率30%未満の制限については、農水省のウェブサイトで紹介する先進事例7つのうち、30%未満に該当するのはわずか2件のみとなっている。例えば、宮城県気仙沼市では遮光率68.5%でばれいしょを、千葉県匝瑳市では遮光率33%で大豆を栽培しているとしている。
「米・麦・大豆」の栽培を推奨することについては、ブルーベリーなどの高付加価値作物や、有機農業への挑戦を阻む懸念があるとしている。そのうえで、推奨作物リストに有機農産物や環境配慮型農業を入れること、品目の変更や複数作物の混作を前提とした柔軟な制度運用をすることなどを求めている。
地域平均と比較して8割以上の単収確保を検討していることについては、他の先進国と比較しても根拠なく高い水準であり、新規就農者や条件の悪い耕作放棄地での挑戦を阻害し、農水省の目指すところとも逆行をしているとしている。
足切りではなく
「総合得点評価」を

「総合得点評価制度」のイメージ(出典 一般社団法人ソーラーシェアリング推進連盟)
一般社団法人ソーラーシェアリング推進連盟では、不適切な事例を排除しつつ、優良なプロジェクトを育てるための「総合得点評価制度」の導入を提案している。「総合得点評価制度」は、遮光率などの単一の項目で一律に「足切り」をするのではなく、地域共生、エネルギー自給、営農の持続性などを多角的に評価し、優良な取り組みにインセンティブを与える仕組みとするよう要望している。
同連盟は、「APV(太陽光発電活用型農業)」という呼称を用い、これが単なる発電事業ではなく、農業経営を安定させ、地域を維持するための「切り札」であると強調している。パブリックコメントは、一般社団法人ソーラーシェアリング推進連盟のウェブサイトで3月22日まで受け付けている。
DATA
一般社団法人ソーラーシェアリング推進連盟がパブリックコメントを実施
取材・文/ソーラージャーナル編集部










