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太陽光大量導入に注目高まる系統用蓄電所 NTTアノードやグローバルエンジが先鞭

電力送配網につなぐ系統用蓄電所の注目度が高まっている。太陽光発電を大量導入させるのに大型蓄電池が不可欠なことから、経済産業省が支援事業の強化や普及に向けた制度整備を進めているからだ。NTT子会社やグローバルエンジは商用化に取り組む。

再生可能エネルギーの
主力電源化を推進

NTTグループの再生可能エネルギー統括会社のNTT アノードエナジー(千代田区、高間徹社長)は2022年6月10日、九州電力と三菱商事と協力して系統用大型蓄電所を活用した太陽光発電の出力制御量低減に向けた共同事業の検討を九州の福岡県で開始した。日本は2050年度に実質温効果ガスゼロ、さらに2030年度に2013年度比46%減の目標を掲げて、再生可能エネルギーの主力電源化を推進している。

一方で、再生エネなどの発電量が需要を上回る場合、発電を無駄にする出力制御を行う必要がある。3社は出力制御されている電力の有効活用による脱炭素の推進と新たな調整力創出による電力の安定供給に寄与するべく、各社が持つ経営資源やノウハウを活用して共同で取り組む系統用蓄電池を用いて太陽光発電の出力制御量を低減させるとともに需給調整市場や日本卸電力取引所(JEPX)など各市場での収益をあげる試みだ。具体的にはNTTアノードが九州に4200kWhの系統用蓄電池を福岡県田川郡に設置して、九州電力が出力制御の見通しを支援する。三菱商事はプロジェクト全体を統括する。

蓄電池コストはまだ高コストで
難しい投資回収

太陽光や風力発電の最大の弱点は、天候や時間帯の影響で発電量が大きく変動すること。送配電系統用蓄電所は再生エネ発電所の余剰電力を吸収でき、系統安定運用の調整力として力を発揮する。同蓄電所は変電所や再生エネ発電所に併設するのではなく、単独で系統に接続する。

ただ大型蓄電池はまだまだ高価なうえ、余剰電力を貯めたうえで需給逼迫のタイミングを見計らって放電。発電所のような高い稼働率で売電できるわけではないので、まだまだ投資回収は難しい。

系統用蓄電所を商機ととらえて先行して導入に取り組んでいる企業は前述のNTTアノードエナジー・九州電力・三菱商事の企業連合体以外にもすでに開発を進めている企業が2社ある。電力小売り事業やDR(需要制御)事業を手がけるグローバルエンジニアリング(本社福岡市)と燃料商社ミツウロコの電力事業子会社のミツウロコグリーンエネルギー(東京都中央区)だ。この両社は2022年中に系統用大型蓄電所の運転開始を目指して、順調に進めている。両社とも北海道で系統用蓄電所を建設中だ。両社の採用する蓄電池は米国テスラ製のリチウムイオン電池だ。

北海道はJEPX価格で
高いボラティリティ

グローバルエンジニアリングの担当者は「当社が北海道千歳市に系統用蓄電所を導入するのは、北海道地域で最も調整力が不足しているから。実際、JEPXの北海道エリアのスポット価格は最もボラティリティ(価格変動)が激しく、需要が低い時刻に充電しておいて、需要が多いために価格が高騰するタイミングでの売電で着実に利益を出すことができる。蓄電所開設の準備は順調だ」と強調する。

北海道は北本連系により本州と隔てられているので、再生エネ大量導入が進む道内の需給調整に系統用蓄電所の活用余地は大きい。導入する蓄電所の容量は6100kWh、出力約1500kWで2022年秋の稼動を目指す。停電時には近隣の地域住民などへ携帯電話、パソコンなどの充電してもらうよう電力供給し同社展示館を避難所に開放するなど、地域住民と密着した蓄電所運営をする予定だ。また同社は出力制御が頻繁に発生している九州地域でも機会があれば系統用蓄電所の導入を検討したいという。

ミツウロコグリーンエネルギーは北海道北広島市に容量1万2192kWh、出力3085.6kWの蓄電所を、2022年12月に運転開始の予定だ。同社の広報担当は「グループ会社の遊休地に発電所を設置する。蓄電所の運用は当社電力需給部で遠隔制御する」と語る。経産省は蓄電池導入支援を強化している。現状のまま需給対策をしないで太陽光、風力が増加した場合、出力制御量上昇により太陽光、風力発電所の投資収益性が下がり、普及の阻害要因になることは明らかで、蓄電池活用が必須になるからだ。


文:松崎茂雄

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