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大和ハウス、10月からすべての新築建築物に太陽光を提案。オンサイトPPA強化

大和ハウスが、オンサイトPPAによる太陽光導入を強化する。10月から新築の商業・事業施設すべてに太陽光導入の提案を行うという。2026年度までの5ヶ年を対象とした中期経営計画では、オンサイトPPAに700億円を投資するとしている。

(オンサイトPPAを採用した物流施設『DPL三郷Ⅱ』。アイキャッチ画像出典:大和ハウス工業株式会社)

事業施設への太陽光ニーズを反映
「オンサイトPPA」活用も提案

大和ハウス工業は10月1日より、同社が建設・開発する新築の商業施設・事業施設のすべてに太陽光発電システムの提案を行う。顧客の注文による通常の請負形式のほか、同社が屋根を借りて太陽光発電システムを無償で設置し、発電分を供給する「オンサイトPPA」方式も提案する。発電した電気を入居テナント企業などが利用することで、テナントのCO2排出削減にも寄与するとしている。

(オンサイトPPAのスキーム図。出典:大和ハウス工業株式会社)

同社グループは、2022〜2026年度を対象とした「第7次中期経営計画」で「すべての建物の脱炭素化によるカーボンニュートラルの実現」を重点テーマの1つとしている。2023年度までに、事業活動を再エネ電力100%で行う国際イニシアチブ「RE100」を業界で初めて達成することを目指しているという。

2030年度までには、国内でのZEB・ZEH率100%を目指すという目標も掲げている。戸建住宅においては、今年度から分譲住宅を含む全商品をZEH仕様とし、賃貸住宅においてはZEH-M(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス・マンション)仕様の提案を強化しているという。また、事業施設においても太陽光発電システムの設置を希望する顧客が増えていることから、今回の提案を開始するに至ったとしている。

オンサイトPPAへ700億円の投資
再エネ価値をまちづくりに活用へ

2022年5月に策定した大和ハウスグループ「第7次中期経営計画」では、環境エネルギー事業セグメントの「オンサイトPPA」に700億円投資することを盛り込んでいる。これによって、2022〜2026年度の累計でオンサイトPPAの売上高260億円、出力650MWを見込むという。

建築物の屋根上を使って太陽光発電システムを設置する「オンサイトPPA」に関しては、同社グループは「多くの建築物を世に出すグループの強みを活かし再エネ普及に貢献」するという戦略を立てた。また、発電した再生可能エネルギーはオンサイトで自家消費するほか、余剰分の再エネ価値をまちづくりや開発案件などに活用するとしている。

同社グループでは、2018年から再エネ100%のまちづくりを目指す大規模プロジェクト「船橋グランオアシス」(千葉県船橋市)の開発に携わってきた。これは、工場跡地を活用した分譲マンションや賃貸・戸建住宅、商業施設による大規模複合開発プロジェクトだ。2021年に完成した同プロジェクトには、施工から運用・居住まで実質再エネ100%が供給され、日本初の取り組みだと評価されている。

DATA

大和ハウス工業株式会社 プレスリリース


文:山下幸恵(office SOTO)

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