FIT発電事業者必見!売電ロス補償する「FIT売電保証サービス」とは?
2024/11/27
出力抑制による売電ロス解消を目指し、オムロン フィールドエンジニアリングと東京センチュリーが「FIT売電保証サービス」を開始。本サービスは蓄電池設置やFIP移行を初期費用ゼロで実現し、発電事業者の収益を守る画期的な取り組みである。
太陽光発電業界が直面する大きな課題の一つが「出力抑制」である。特に九州エリアにおいて深刻化しており、多くの発電事業者が収益低下の懸念を抱えている。こうした状況下で注目すべきが、オムロン フィールドエンジニアリング株式会社(OFE)と東京センチュリー株式会社が共同で提供を開始した「FIT売電保証サービス」である。本サービスは、発電事業者が直面する課題を解決し、安定した収益を確保するための新たな選択肢を提示している。本記事では、プレスリリースを基にその詳細を紹介する。
以下、オムロンソーシアルソリューションズ株式会社と東京センチュリー株式会社のプレスリリースより。
太陽光発電の出力抑制によるFIT売電ロスを補填する初期費用・ランニングコストゼロの「FIT売電保証サービス」開始について
オムロン フィールドエンジニアリング株式会社
東京センチュリー株式会社
オムロン フィールドエンジニアリング株式会社(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:立石泰輔、以下「OFE」)と東京センチュリー株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:馬場高一、以下「東京センチュリー」)は、高圧FIT(※1)太陽光発電所を保有する発電事業者(以下「発電事業者」)に向け、太陽光発電の出力抑制(※2)による売電ロスを補填する「FIT売電保証サービス」(以下「本サービス」)を開始することになりましたので、下記のとおり、お知らせいたします。1.背景
昨今、九州エリアを中心に出力抑制が増加しており、FIT発電事業者の売電ロスが拡大する中で、対応策として市場売電価格に一定のプレミアムが付与されるFIP制度(※3)への移行と市場価格が高い時間帯に売電するための併設型蓄電池の設置を検討する発電事業者が増えています。しかし、蓄電池設置には多額の初期投資が必要となることや、固定価格で売電できなくなることによる価格変動リスクへの懸念、発電事業者の電力の売買の手間が増えることなど、FIP制度移行への課題が顕在化しています。
これらの課題に対し、この度、太陽光発電システムや蓄電システムの設計・施工から保守までのトータルサービスを提供するOFEと、国内外のパートナー企業との共創による『金融×サービス×事業』を融合したビジネスモデルを展開し、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギー事業にも積極的に取り組んでいる東京センチュリーが、太陽光発電の出力抑制によるFIT売電ロスのリスクを解消する新たなサービスの提供を開始しました。2.概要
本サービスは、上記の課題を抱える高圧FIT発電所を保有する発電事業者に対し、初期費用・ランニングコストゼロでFIP制度への移行および併設型蓄電池を設置し、出力抑制によるFIT売電ロスを補填することで、FIT同様の収入を保証するものです(※4)。さらに発電した電力の売買も代行するため、発電事業者は手間なくスムーズなFIP発電所の運用が可能です。
本サービスの運営・管理においては、OFEの親会社であるオムロン ソーシアルソリューションズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:四方克弘、以下「OSS」)と東京センチュリーが共同出資するSPC(※5)である九州蓄電サービス合同会社を通じて提供します。OFEがFIP発電所への転換サポート、蓄電池の追加設置、および蓄電池の充放電制御と電力市場での売買を代行します。また東京センチュリー(グループ会社含む)がSPCのアセットマネジメント業務を行います。両社は本サービスを通じて売電ロスに悩む発電事業者の課題解決と、持続可能な循環型社会およびカーボンニュートラルの実現に貢献してまいります。
<収支イメージ>
※1. FIT:Feed-in Tariffの略称(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)。再生可能エネルギー源(太陽光、風力など)で発電された電力を、政府が設定した価格に基づいて電力会社が購入することを義務付ける制度(2012年7月より開始)
※2. 電気の使用量と発電量(需要と供給)を合わせるために、一般送配電事業者の指示により、発電事業者が太陽光発電所や風力発電所の出力を抑制すること。 太陽光発電などによる発電量が多くなり過ぎ、需給バランスの確保が難しいときに実施される。
※3. FIP:Feed-in Premiumの略称 。FITに対し、再生可能エネルギーを固定価格で買い取るのではなく、再生可能エネルギーの発電業者に対して電力を販売した時の価格に一定の補助額(プレミアム)を付与することで、事業者の投資インセンティブを促し、再生可能エネルギーをさらに普及促進することが目的の制度(2022年4月より開始)
※4. サービス提供には一定の審査があり、内容によっては、保証割合の変更や、ご契約の見直しをお願いする場合もございます。
※5. SPC(特別目的会社):Special Purpose Companyの略称。事業内容が特定され、その特定の事業のために設立された会社オムロン フィールドエンジニアリング株式会社について
オムロン フィールドエンジニアリング株式会社は、オムロンでソーシアルソリューションドメインを担うオムロン ソーシアルソリューションズ株式会社のグループ会社として環境ソリューションやエンジニアリング・サービスを提供する企業です。日本全国130箇所の拠点と1,200名のカスタマエンジニアによるサービスネットワークを構築し、エンジニアリング/フィールドサービス/バックアップサービスを全国のお客様に提供しています。
URL:socialsolution.omron.com/field-engineering/東京センチュリー株式会社について
リースを祖業とし、パートナー企業との共創による「金融×サービス×事業」を融合したビジネスモデルを展開する金融・サービス企業です。広範な顧客基盤を有する「国内リース事業分野」、法人・個人向けオートリースにレンタカーを擁する「オートモビリティ事業分野」、航空機や不動産を中心に成長を牽引する「スペシャルティ事業分野」、世界30以上の国と地域に拠点網を有する「国際事業分野」、太陽光発電や蓄電池等の再生可能エネルギー関連事業を展開する「環境インフラ事業分野」の5つの分野で事業を展開。幅広い事業領域で社会課題の解決に貢献するとともに、当社が目指す循環型経済社会の実現にも邁進してまいります。
URL:www.tokyocentury.co.jp/jp/
出力抑制を解決する可能性
「FIT売電保証サービス」は、出力抑制という課題を抱える発電事業者にとって革新的な解決策である。OFEと東京センチュリーの連携により、収益安定だけでなく、手間の軽減や長期的な運用支援も実現する。本サービスが発電事業者にもたらすメリットや、再生可能エネルギーの普及促進への貢献に注目したい。