政策・制度

シリーズ「太陽光義務化元年」群馬県が条例施行 延床面積2000㎡以上

群馬県は4月1日、延床面積2000㎡以上の建築物を新築・増改築する際に、再エネ発電設備などの導入を義務付ける条例を施行した。都道府県では京都府に続いて2例目。事業者向けの「初期費用0円事業」や「共同購入」「低利融資」などの制度を創設し導入の拡大を目指す。

県全体で
5つのゼロを目指す

2050年に向けた「ぐんま5つのゼロ宣言」

2050年に向けた「ぐんま5つのゼロ宣言」(出典 群馬県)

群馬県は2019年に2050年に向けた「ぐんま5つのゼロ宣言」を策定している。2050年に「自然災害による死者ゼロ」「温室効果ガス排出量ゼロ」「災害時の停電ゼロ」「プラスチックゴミゼロ」「食品ロスをゼロ」にする目標を掲げている。2030年には、2013年度の温室効果ガス排出量を半減する方針で、今回の条例施行により県全体で地球温暖化対策を推進する考えだ。

4月1日に施行された2050年に向けた「ぐんま5つのゼロ宣言」実現条例は、「5つのゼロ」を条例に位置付けることで、2050年に向けた群馬県の環境面における長期的な方向性を示し、施策の継続性・予見可能性を高めて、取り組みを加速させることを目的としている。2010年に施行された県地球温暖化防止条例を廃止して統合する。

具体的な内容としては、延床面積2000㎡以上の建築物を新築・増改築する際に太陽光発電やバイオマスボイラーなどの再エネ発電設備などの設置を義務付ける。また、導入計画および工事完了報告の提出を義務付け、その内容を県が公表する。このほかにも、一定以上の温室効果ガスを排出する事業者に再エネ導入状況報告の提出義務付け、一定以上の建築物を新築・増改築場合に温室効果ガス排出削減計画の提出を義務付けている。

事業者向けの 
支援制度を創設

条例で規定する特定建築物に関する義務制度

条例で規定する特定建築物に関する義務制度(出典 群馬県)

群馬県では、条例による再エネ設備義務化にあたり、事業者向けの支援制度を創設した。金融機関と連携した「低利融資制度(融資利率年1.1%以内)」や「事業用共同購入」「事業用初期費用0円事業」「電力価格高騰対策・再エネ導入支援(補助金)」が主な内容。このうち「事業用共同購入」は、県と協定を締結し共同購入プランを共創した支援事業者が、事業用太陽光発電設備および蓄電池などの購入希望者を募り一括発注し購入するもの。

「事業用初期費用0円事業」は、事業者の負担で太陽光発電設備を設置するもので、工場・事業場等の所有者は事業者に対し、電気料金又はリース料金などを支払い、工場・事業場等の所有者が負担する設備導入時の初期費用を0円にする。「電力価格高騰対策・再エネ導入支援(補助金)」は、群馬県内の中小企業者等や個人が太陽光発電設備や蓄電池を導入する際の経費の一部を補助する。

事業用太陽光を
20億kWh/年に拡大

群馬県

群馬県の再生可能エネルギーの導入目標(出典 群馬県)

群馬県は2021年6月に「群馬県地球温暖化対策実行計画2021-2030」を策定し、2050年に向けた「ぐんま5つのゼロ宣言」を実現するための数値目標を掲げている。群馬県全体の温室効果ガス排出量を2030年度に2013年度に比べて50%削減するほか、再エネ導入量を2030年度に 77億kWh/年に拡大することを目指している。導入する再エネの内訳は、大規模水力が31億kWh/年、事業用太陽光発電が20億kWh/年、住宅用太陽光発電が3億kWh/年、バイオマス発電が2億kWh/年などとなっている。

群馬県内では、「5つのゼロ」を目指す取り組みが市町村にも広がっている。今年3月31日現在で、藤岡市、館林市、富岡市、みどり市、千代田町、下仁田町、上野村、嬬恋村、高山村、片品村の10市町村が群馬県とともに災害に強く、持続可能な社会の構築を目指す「5つのゼロ」を宣言している。

DATA

群馬県 2050年に向けた「ぐんま5つのゼロ宣言」実現条例

群馬県 再生可能エネルギー設備等導入のお願い

群馬県地球温暖化対策実行計画2021-2030


取材・文/高橋健一

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