大型連休中の再エネ出力制御、8エリアで実施。エリア需要を上回る場面も
2024/06/10
4月末〜5月上旬にかけての大型連休中、再エネの出力制御が8エリアで実施された。東北、中国、四国、九州エリアでは、再エネ出力がエリア需要を上回る日もあった。再エネ出力制御量の低減が急がれる。
東京・沖縄エリアを除く
全国8エリアで実施
2024年4月27日〜5月6日の大型連休中、再生可能エネルギーの出力制御が東京・沖縄エリアを除く全国8エリアで実施された。なお、東京エリアでは、事前に公表された見通しのとおり実施されなかった。
東北、中国、四国、九州エリアでは、再エネ出力がエリア需要を上回る日があった。特に、中国エリアでは5月2〜5日、四国エリアでは5月3〜5日にかけて、再エネ出力がエリア需要を上回った。大型連休の後も多くのエリアが頻繁に実施されている。
例年、春季と秋季は、日射量が多く太陽光の発電量が伸びる一方で、空調などが使われず電気の需要量が少ないことから、再エネ出力制御量が増加している。4月末から5月上旬にかけての大型連休中は、多くの事業所が休みになるため、電気の需要量が抑えられて再エネ出力制御が実施されやすい。
出力制御率は増加の傾向
対策パッケージの早急な実施を
2024年度の再エネ出力制御率の見通しについて、資源エネルギー庁は、昨年度に比べて東北、中国、四国エリアなどで1〜2%程度、出力制御率が増加するとしている。その要因として、再エネの連系量の増加に加えて、需要の減少、域外送電量の減少などを挙げている。
近年、複数のエリアで同時に出力制御が実施されているため、余った再エネ電気を他のエリアへの送電しにくくなり、全体として出力制御量が増加傾向にあるという。
こうした状況を受けて、資源エネルギー庁は昨年末、「出力制御対策パッケージ」を刷新した。需要面・供給面・系統増強で対策を強化するとして、火力発電の最低出力の引き下げなどに取り組んでいる。(参考:<資源エネルギー庁>新・出力制御対策パッケージ。「蓄電池の活用」を強化へ|SOLAR JOURNAL)
DATA
文:山下幸恵(office SOTO)