政策・制度

メガソーラー対策パッケージ実現に向けて各省の「規制強化」が動き出す! 留意すべき法改正とは?

メガソーラー対策パッケージを具現化するための法整備が各省で進んでいる。地上設置事業用太陽光へのFIT/FIP廃止は、その一部に過ぎない。ここでは計画から着工までの過程で留意すべき規制強化について概観する。

 

<目次>
1.林地開発許可基準を強化 残置森林率60%に引き上げ
2.運用指針を改定し厳格化 規模に上限を設けることも
3.構造安全性の確保に新規定 着工前に第三者機関が審査
4.環境アセスの対象拡大 中規模太陽光発電も視野に

 

林地開発許可基準を強化
残置森林率60%に引き上げ

 


【林地開発許可制度における新旧「森林率」のイメージ】

 
森林法が改正され、2026年4月から施行されている。これに基づき、「林地開発許可基準」も厳しくなった。

太陽光発電設備のために林地を開発する場合、これまでは25%以上の森林率を確保することが求められていた。この25%には開発に伴って新たに造成した森林も含まれ、元からあった残置森林率については概ね15%以上とされていた。

新基準では、まず開発行為を行う土地を森林面積40ha以上と未満に区分する。そして、開発森林面積40ha以上の場合には、森林を60%以上残すことが開発許可の条件となった。新基準値には造成森林は含まれず、残置森林率だけで60%以上を確保しなければならない。なお、開発森林面積が40ha未満の場合には、従来の基準が適用される。

今回の改正では、許可条件違反への「罰則」も設けられている。これは、これまでにはなかったものだ。中止命令・復旧命令に従わない場合には、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金となる(法人には両罰規定あり)。あわせて違反者を公表できる制度も新設されるなど、違反抑止と制度の実効性向上が図られている。

 

運用指針を改定し厳格化
規模に上限を設けることも

 


出典:農林水産省 林野庁

 
2026年3月、景観法の運用指針が改定された。これまではメガソーラーを想定した景観形成基準となっていなかったことを踏まえ、今回新たに「地域共生に向けた再エネ施設のあり方」や「適切な景観形成基準として配慮すべき事項」などが加えられた。

具体的には、「眺望対象に影響を及ぼす範囲には再エネ施設が視認されないよう見え方について制限すること」や「規模に上限を設けること」、「木竹の植栽や伐採を届出対象行為とすること」などが、自治体の判断で可能であると明記された。景観法を実際に活用する主体は地方自治体であることから、4月には再エネ施設受け入れに関する景観計画策定マニュアルも公表された。

 

構造安全性の確保に新規定
着工前に第三者機関が審査

 


【電気事業法における新たな規制体系のイメージ】

 
電気事業法の一部を改正する法律案が、2026年3月24日に閣議決定された。同法案は3本柱で構成されており、「大規模送電線 大規模電源の整備の促進」と「電気事業の安定的・持続的な発展のための環境整備」に並んで、「太陽光発電設備等の安全性の向上」が大きなテーマとなっている。

ここでいう安全性は構造に関するもので、「太陽光発電設備の設計不備による事故を防止するため、その支持物等について第三者機関(登録適合性確認機関)による工事前の技術基準への適合性確認の対象とする」との新規定が盛り込まれた。

現行制度では、2,000kW以上の設備については、工事計画確認の際に構造安全性も含めて国が審査しており、2,000kW未満の設備については、設置者が工事後の使用前に自己確認することとなっている。しかし、立入検査で構造安全上の指摘を受ける設備は半数以上にのぼっており、設備容量にかかわらず支持物等に関する事故が発生している。

今回の適合性確認規定は、こうした状況を踏まえたものだ。今後は、規模の大小を問わず、工事前の段階で、土木建築 of 知見を有する第三者機関(登録適合性確認機関)が、構造安全上の適切性(技術基準への適合性)をチェックすることになる。

さらに、既存の設備であっても、リパワリングなどにより構造安全性に影響を及ぼす設備変更を行う場合には、新設同様に、第三者機関の適合性確認を求めてしていく方針が示されている。

第三者機関の確認に加えて、「適切な構造安全性を有する設備に関する民間認証制度」や規格を活用した標準化などの環境整備も併せて図っていくとする。

 

環境アセスの対象拡大
中規模太陽光発電も視野に

 
環境省は2026年4月、環境影響評価法の改正に向けた報告書案を公表した。同案では、環境アセスの対象となる太陽光の事業規模を見直すとともに、スクリーニング基準の再定義を図っている。

環境影響評価法において、太陽光発電事業は、環境アセス手続きが必須となる大規模な「第1種事業」と、これに準じる規模の「第2種事業」に分けられる。第2種事業の場合、環境アセス手続きの有無は個別に判断(スクリーニング)される。

第1種と第2種を隔てる事業規模の壁は、これまで「40MW」だった。案では、これを引き下げる方針が示されている。具体的な数値はまだ明らかにされていないが、環境アセス手続きの対象が広がっていくことは間違いない。

第2種事業に対するスクリーニングについて、現行制度では、自然環境の一部として人為的な改変をほとんど受けていない自然林や、地域において重要な機能を有する水源涵養林、防風林などを確認対象としている。今後は、関係法令による規制区域が存在する場合や、傾斜地等における土地の改変についてもスクリーニングの基準を設けていく方針だ。同時に、法の対象とならない規模の太陽光発電についても、自主的な環境配慮を促していくとしている。

 

DATA

取材・文/廣町公則

SOLAR JOURNAL vol.57(2026年57号)より転載



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