編集部からのお知らせ

IIJデータセンターにテスラ製蓄電池導入 マルチユースを想定

インターネットイニシアティブは10月21日、自社の白井データセンターキャンパスにテスラ製リチウムイオン蓄電池「Powerpack」を導入したと発表した。11月1日から稼働し、ピークカットやピークシフト運用により、空調電力の約15%削減を目指す。

蓄電池によるピークカット
15年で5000万円の削減

株式会社インターネットイニシアティブ(東京都)は、自社の白井データセンターキャンパスにテスラ製リチウムイオン蓄電池「Powerpack」を導入し、11月1日から稼働している。

同社は通信インフラを提供する事業者として、環境性能に優れたデータセンターの構築を進めてきた。同データセンターでは、すでにエネルギー効率の高い外気冷却空調とAIによる空調制御などで、電力利用効率の最適化を図っている。外気冷却空調とは、外気温度が室温より低いかまたは冷房送風温度に近い場合に、冷凍機を運転せずに送風運転のみを行うことで、エネルギー消費量やCO2の発生を抑える空調システムだ。

しかし、このシステムは外気温が約13〜20℃のときに有効であり、夏場は利用ができない。このため、夏季のピークカット対策として蓄電池の導入を決定したという。

今回導入されたPowerpackは、三相400V、出力436kW、容量696kWh。これは、同データセンター内のサーバーを最大4時間稼働できる容量だという。このうち5~10分の稼働に必要な容量を非常用として常時保持し、残容量をピークカットに使用する。

電力使用の平準化による契約電力の引き下げによって、空調で利用する電力のデマンド値の約15%の削減を目指す。



蓄電池はマルチユース利用
余剰吸い込み、BCP対策も

同社はPowerpackを分散型エネルギーリソースとして、さまざまなエネルギーマネジメントへマルチユース、つまり用途を拡大する予定だ。太陽光発電などの再生可能エネルギーと組み合わせることで余剰電力の吸い込みや、出力変動の安定化の実現を目指すほか、BCP(Business Continuity Plan=事業継続計画)対策として、停電時の電力供給、情報提供拠点としての応用も予定している。

今回の導入は、関西電力の100%子会社である株式会社関電エネルギーソリューション(大阪府)の「ユーティリティサービス」として導入されたものだ。この「ユーティリティサービス」は、初期投資なしで蓄電池などのエネルギーマネジメント設備を導入可能で、設計から施工、設置後の保守まで関電エネルギーソリューションが一元管理する。契約期間は原則15年で、設備維持コストの平準化に寄与するサービス内容となっている。

DATA

株式会社インターネットイニシアティブ


文/山下幸恵

関連記事

太陽光関連メーカー一覧

アクセスランキング

  1. 【GoodWe】大電流対応パワコンの採用で過電流からの保護と発電量のアップを実現...
  2. 【終了】2025年9月12日(金)「第35回PVビジネスセミナー」
  3. パワーエックス、“垂直統合型”のビジネスモデルで蓄電システムの販売拡大を目指す...
  4. エネ基2040ビジョン、具体化へ② 各省庁による太陽光拡大施策が明らかに!...
  5. 蓄電所ビジネスを支えるHUAWEIの蓄電池。地域と調和する次世代インフラの新基準...
  6. 積水化学工業がペロブスカイトを量産化! 2030年にはGW級の製造ライン構築を目指す...
  7. 北海道釧路市「ノーモア メガソーラー宣言」 10kW以上の事業用太陽光発電を許可制へ...
  8. 「ANDPAD受発注」の導入で業務を効率化!施工品質のさらなる向上を目指す
  9. 系統用蓄電池の導入拡大が進む システム価格は前年比 約2割減
  10. エネ基2040ビジョン、具体化へ① PV業界の明日がわかる最新政策パッケージ...
広告お問い合わせ 太陽光業界最新ニュース

フリーマガジン

「SOLAR JOURNAL」

vol.54 | ¥0
2025/8/1発行

お詫びと訂正

ソーラー電話帳 SOLAR JOURNAL メディアパートナーズ