55円、FIT価格。認証小型風車の中で日本メーカーに勝算はあるのか?(風力発電)

太陽光発電のFIT価格が下がり続けるなか、小型風力は55円/hと高止まりしたままだ。既存の風力関連事業者の枠を超え、いま様々な分野から注目を集める熱い市場。小型風力は、この先どう成長を遂げるのか。あるべき小型風力の姿とは?

環境共生という発想

「小型風車は、近隣に人が住む場所に建てる場合もありますから、環境共生と安心・安全が何よりも重要です。環境共生とは、自然だけでなく、社会との共生も意味します。地域の人々に心地よいと感じてもらえる存在になってこそ、小型風車は活きてくる。

環境アセスでは、マイナスをゼロに近づけるという発想しか出てきませんが、風車には本来、マイナスの地域をプラスに変える力さえあるのです」と、足利工業大学理事長の牛山泉氏は口を開く。

小型風力発電は、太陽光発電同様に、比較的簡単に導入できるシステムであり、建てられる場所の制約も少ない。それだけに、人々に親しまれる存在でなければならないのだという。

 

55円、FIT価格に熱視

社会との共生に、安心・安全は欠かせない。事故を起こすなど、もってのほかだ。

「日本における小型風力(20kW未満)のFIT価格は、55円/hと世界でも突出して高いものです。このため海外からも熱い視線が送られており、現実、NK型式認証(FIT認定の前提要件となる認証)を受けている小型風車19種のうち、17種が海外メーカー製という状況になっています。

しかし、小型風力を定義する20kW未満という基準は日本独自のものであり、海外メーカーの風車を導入する場合には、日本の基準に合わせて調整する必要があります。そこに無理が生じて事故が起きないとも言い切れません。日本の基準を前提に、日本ならではの気候風土に最適化した小型風車が望まれるところです」(牛山氏、以下同)。

現在、牛山氏を中心に、日本小形風力発電協会やNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が、小型風力発電システムの標準化に向けた実証を進めている。

小型であっても、強風・乱流や雷など日本特有のリスクに晒されている点は、大型と変わらない。実証研究が実を結び、日本の小型風力発電に道標が示されることを期待したい。

標準化は、コストの低減にも直結する。発電システムの自律的な普及には、低コスト化が不可欠であるだけに、その成果が楽しみだ。

ビルと風車が一体化したバーレーン世界貿易センター

 

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