ZEH時代を生き残るための蓄電池戦略「まっち」
2018/05/22
99万円で買える未来、「まっち」が人気だ。太陽光発電システム、省エネリフォームで知られる株式会社メデアが展開する、それは次世代のスマートハウスシステム。第9回 太陽光発電システム施工展(2018年3月、東京ビッグサイト)のセミナーで注目を集めた、同社取締役技術部長の山本耕司氏のスピーチをお届けする。
太陽光発電って、もう終わりですか?
最近、よく聞く言葉です。もちろん、答えはNO。太陽光だけでなく、地熱、地中熱、バイオマス、風力……、様々な再生可能エネルギーに取り組み、トライし、その可能性を追い求めてきましたが、太陽光発電は間違いなく次世代の未来へと続く再生可能エネルギーの大本命です。とくに日本という島国風土にはマッチしており、基本的に可動部分がない発電原理は、長きにわたる発電事業を考える上でも特筆すべきことであり、他に勝るものがないというほど素晴らしい発電システムだと考えます。発電時にCO2フリーである点も、世界の動向や地球の未来を考える上でとても重要です。
メデアによるセミナーの様子
では、それほど素晴らしい太陽光発電がこれほど叩かれ、自治体の規制が続出し、一般の方々から忌み嫌われるような雰囲気になっているのはなぜでしょうか?
もちろん、太陽光発電にも懸念される問題は存在します。例えば、近隣を考えない手前勝手な建設、周囲への反対・光害を考えない設計、太陽光発電を設置している人までが、賦課金と称する電気料金を取られ、よく政府サイドから聞こえてくる国民負担の増大という観点もあるでしょう。
でも、近隣との協調は太陽光発電だけでなく、例えば工場の建設や住宅での騒音も同じです。また、電気料金に含まれる賦課金ですが、現在、およそ月に686円の負担を強いられております。年間に直すと、およそ8232円の負担となります。大きいといえば大きく、少ないといえば少ないでしょうか?
ヨーロッパでもこの課金は存在し、日本の優に数倍にも及ぶ国が多数ありますが、どちらかというと肯定的に受け取られているようです。地球の未来のために、必要悪と捉えられているような感じでしょうか……。
私自身、太陽光の設計、販売を多数させていただいておりますが、自宅に太陽光はありません。単に隣家との影の影響で載せていないだけですが、それでも喜んで賦課金を払っています。どうせ払うなら、気前良く払って、「地球に投資しているんだよ!」なんて素敵だと思いませんか?そうあってほしいと、生意気にも考えております。
現在の太陽光はFIT(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)のもとで飛躍的な発展を遂げました。FITはあくまで打ち上げ用のロケットのようなものであり、電源の自立を促す制度です。そもそも住宅用では余剰電力買取制度、つまり自家消費の後、余った電気を売る構造です。
ここにきて売電単価の下落、逆に購入電力単価の高騰による「単価の逆転現象」が迫り、来年には「2019年問題」による40万とも50万ともいわれる方々が10年の売電期間を終えます。まもなくFITに依存しない太陽光、つまり売電を伴わないで成立する太陽光の時代が来ます。いままで太陽光だけを販売し、設置してこられた事業者は、これからどうすれば良いのでしょうか?