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新「エネルギー基本計画」へ。再エネ電源ごとの課題まとめ

日本のエネルギー政策の基本方針を定める「エネルギー基本計画」が、この夏、新しく生まれ変わる。そこでは再生可能エネルギーが"主力電源"と謳われ、エネルギー転換への道筋が示されることになるという。再エネ電源ごとの課題をみてみよう。

前記事:「今夏、新「エネルギー基本計画」閣議決定。ポイントは?」はコチラ

再エネ
「主力電源」へ

エネルギー転換の重要な主役の1つが、再生可能エネルギーだ。電源構成の目標値については、2015年に定めたエネルギーミックス(2030年「再エネ比率22〜24%」)(下グラフ参照)を変えないものの、将来の「主力電源」と明確に位置づける。

 

エネルギーミックス 出典:経済産業省

再エネ電源ごとの
課題

再エネの電源ごとの施策については、主に総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会で検討された。ここでは、まず再エネを「急速なコストダウンが見込まれる電源」と「地域との共生を図りつつ穏やかに自立化に向かう電源」に分類し、それぞれの電源が抱える課題と将来像が示された(下表参照)。

急速なコストダウンが見込まれる電源には、太陽光と風力が属し、いずれにおいても海外と比べて高コストな現状を是正することが求められている。将来像としては、太陽光・風力ともに大型電源としての役割が期待されており、小規模太陽光に限っては、蓄電池を活用した自家消費・地産地消もイメージされる。

なお、小型風力に関しては、風力発電とはいえ自立化が困難な電源とみなされ、主力電源化に向けた検討対象からは除外された。地域との共生を図りつつ穏やかに自立化に向かう電源には、地熱と中小水力、バイオマスが含まれ
る。

地熱については、新規地点開拓や適地が需要地から離れていることなどが課題とされ、将来像としては中規模ベースロード電源というイメージが示された。

小水力には、地熱同様の課題に加え、既存ダムが担う治水機能との調和というテーマもある。地元の治水目的などと合わせて、地域密着で事業展開を図ることが必要とされる。

バイオマスに関しては、他の再エネとは異なり、燃料費7割というコスト構造が問題となる。持続可能な燃料の安定調達や、コスト低下の道筋の明確化などが求められている。新しいエネルギー基本計画には、こうした問題意識が反映されることになる。

再エネ電源ごとの課題と将来像 出典:経済産業省


取材・文/廣町公則

SOLAR JOURNAL vol.25(2018年春号)より転載

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