環境省、自家消費型太陽光に定額補助。オンサイトPPAモデルなども対象に
2022/05/25
自家消費型の太陽光発電設備を導入することなどを条件に、環境省が補助事業をスタートした。オンサイトPPAモデルやリースモデルなどによって異なるが、太陽光1kWあたり4〜7万円の定額補助だ。
太陽光発電単体にも定額補助
導入モデルなどで異なる補助額
環境省は3月31日、「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業)」の公募を開始すると発表した。令和3年度補正予算として行うもので、執行団体は一般財団法人環境イノベーション情報機構だ。
同事業では、太陽光発電設備や定置用蓄電池、車載型蓄電池、充放電設備などの導入経費を補助する。補助額は、オンサイトPPAモデルやリースモデルといった導入方法や、導入設備の組み合わせなどによって異なる。
オンサイトPPAモデルとは、発電事業者などPPA事業者が、需要家の設備に太陽光発電を設置、所有、維持管理を行う「第三者所有モデル」を指す。需要家が使用電力量に応じた従量課金制のサービス料金を支払うといったモデルが、これに該当する。
補助額は、太陽光発電設備を単体で導入する場合、1kWあたり4万円の定額補助。ただし、オンサイトPPAモデルやリースモデルで業務・産業用蓄電池をセットで導入する場合などは、5万円/kWとなる。また、戸建住宅に限り蓄電池とセットで導入する場合には7万円/kWに引き上げられる。
補助事業の要件としては、自家消費型の太陽光発電設備や蓄電池などを導入することなどが挙げられている。特に太陽光の場合、一定の自家消費率を上回ることが定められており、戸建住宅では発電量の30%以上、その他では50%以上をオンサイトで自家消費しなければならないとされた。
定置用蓄電池には「目標価格」
これを下回ることがポイントに
環境省によると、ストレージパリティとは「蓄電池を導入しないよりも蓄電池を導入した方が経済的メリットのある状態(蓄電池の導入にかかる費用よりランニングコスト削減額の合計が上回ることなど)」を指すとされている。
そのため、定置用蓄電池には「目標価格」が設定され、これを下回ることが評価のポイントとされた。定置用蓄電池の価格が目標価格を超える場合には、定置用蓄電池については全額が補助対象外となる。目標価格は、業務・産業用蓄電池で1kWhあたり19万円(税抜・工事費込み)、家庭用蓄電池で15.5万円(同)とされた。
なお、同補助事業の詳細については、一般財団法人環境イノベーション情報機構のウェブサイトを確認してほしい。
DATA
一般財団法人 環境イノベーション情報機構:【公募のお知らせ】令和3年度補正予算 ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業(二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金)
文:山下幸恵(office SOTO)