どうなる、2017年度のFIT価格! 入札制度って?
2017/06/27
入札制度の詳細が明らかに!
対象は2MW以上の太陽光
大規模太陽光に入札制度が導入されることは、昨年5月に改正FIT法が成立した段階で確定した。しかし、入札対象となる規模や容量、時期や回数など、具体的な中身は未確定のままだった。今回はじめて、その詳細が正式に示された。
前述の通り、入札の対象規模は「2000kW(2MW)以上」となる。特別高圧連系が必要であり、大規模事業者間の競争による価格低減効果が期待される領域に落ち着いたというわけだ。
入札といっても、一般的にイメージされる公共事業の入札とは大きく異なる。特定の案件に関して競争入札で契約者を決める、というものではないのだ。FITにおける入札制度とは、入札の都度、日本全体で合計何MWの設備容量を認定するのかを決め、その決められた容量(募集容量)を全国各地の事業者で奪い合うというイメージに近い。
2017年度入札は1回のみ
500MWを全国で競う
2017年度と2018年度は入札制度の試行期間とされ、この2年間に計3回の入札が実施される(2017年度に1回、2018年度に2回)。全3回分の募集容量は、合計で1500MW。2017年度中に行われる第1回目については、その3分の1にあたる500MWが募集容量となる。
入札に参加したい事業者は、入札に先立って「発電事業計画」を提出し、参加資格の有無を審査される。入札参加資格が認められた事業者は、1 kWh当たり価格と発電出力についての札を入れる。最も安価な札を入れた者から順次、入札全体の募集容量に達するまでの者を落札者にするという方式だ。そして、落札者だけにFIT認定を取得する権利が与えられる。
落札者のFIT価格には、応札額がそのまま採用される。つまり、落札者によって価格が異なるということであり、自ら示した価格で20年間買い取られるということでもある。
2017年度以降、2MW以上の太陽光に着手する場合には、この年2回程度の入札機会を捉え、落札しなければならない。2017年度に限っては、試行初年ということもあり、1度きりのチャンスしかない。
取材・文/廣町公則
SOLAR JOURNAL vol.20(2017年冬号)より転載