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「逆転」の発想?米で日中の電力消費を促進する動き

電力需要を、
価格の低い日中にシフトさせる

グラフ2の黒の折れ線は、APSが取引した2017年4月のリアルタイム卸電力市場の価格を示す。太陽光発電の出力が高い時間帯に価格が低くなっていることがわかる。特に朝10時から午後3時にネガティブプライスになっている。

APSとしては消費者によりお手頃な電力を提供するためにはこの「ネガティブプライス」という好機を利用しなければならないということだ。さらに、アリゾナ州だけでなく、隣接するカリフォルニア州もRPS法により今後太陽光発電の導入が増大するので、この機会も増すと予想される。

ちなみに、同グラフの棒は APS非住宅用顧客による室内用LED電球変換による節電量を示す。節電が最も起こる時間帯は卸価格が最も安い、またはネガティブプライスで取引される時である。このまま電力がネガティブプライスで取引される時間帯に省エネを促進することは、顧客が電気料金を削減できる機会を制限することになる、とAPSは「リバース・デマンドレスポンス」導入に踏み切った。

APSによると、顧客にとって最大の電気料金削減に焦点を当てると、今までのデマンドレスポンスを進化させなければならない。暑い夏の夕方から夜にかけての電力消費削減を強めるだけでなく、エネルギー価格が低く、エネルギーが豊富な日中(夏場以外)に電力消費を奨励しなくてはならない。太陽光発電のピーク発電時間に電力需要をシフトすることで、豊富な低価格の電力が使用できるだけでなく、全体の電力コストを下げられ、さらに今後より多くの太陽光発電をグリッドに導入することができるそうだ。

APSの時間帯別「実質」電力需要の変化(グラフ1)

APSの2017年4月の卸電力市場の価格と非住宅用顧客の節電量(グラフ2)

 

KEY WORD

①デマンドレスポンス

発動するタイミング:卸電力価格が高騰または電力需給が逼迫したとき

電力会社が電力需要家に送る信号:電力消費を抑えるように依頼

②リバース・デマンドレスポンス

発動するタイミング:電力価格が「ネガティブプライス」となったとき

電力会社が電力需要家に送る信号:電力消費を増加させるように依頼


文/モベヤン・ジュンコ

SOLAR JOURNAL VOL.23より転載

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