過疎化が進む温泉地を活性化 グローバルリンクのアイデア事業
2016/05/21
創エネによる利益の 1/3を村に還元
現在、同社では別の温泉地に行政との官民一体型の地熱バイナリー発電所建設の計画を進めている。そのうちの1つの自治体は人口が2000人を切る過 疎地域。移住を積極的に誘致はしているが、雇用が少ないため定住してもらうには厳しい環境だ。そこで「子供のために地域に何か残したい」と、自治体が同社による地熱バイナリー発電所を誘致した。
同社の地熱バイナリー発電所は、エネルギーと同時に、1基あたり1〜2人の雇用を生む。さらに、廃棄される蒸気で発電するため、近隣の温泉の泉質や温度 が変わったり環境を壊したりする心配は一切ない。
同社による地熱 バイナリー発電所は1基あたり2億 の初期投資で年間4000万円分の発電をするため、年間のメンテナンス費用400万円や人件費を踏まえても6年で回収できる。「当社が創エネで得られる収入の
1/3は自治体に寄付をし、そのお金で大きなビニールハウスを作るなどして新しい特産品を作ってもらいたい」 (冨樫社長) 。
現在の村の特産物以外にも、地熱を利用したビニールハウスの温熱栽培を行えば、市場で高く取引されるマンゴーや薬草、フルーツのように甘いトマトな ど新しい特産を作ることができ る。
地熱バイナリー発電所建設の計画を進めている自治体の小学校では、小学生が地域のPRパンフレットを制作している。同社の地熱バイナリー発電所が創る新たな自治体の未来が今後どのように描かれていくのか楽しみだ。
問い合わせ
グローバル・リンク株式会社
本社:東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビル12階
TEL:03-6269-9660
HP:グローバル・リンク株式会社
取材・文/大川晶子