スマート工場実現へ! 企業が挑む「みらいの工場」
2018/05/07
近年、企業の事務所や自社工場において再生可能エネルギーを取り入れる動きが目立っている。2018年4月17日、株式会社日本ベネックスと住友商事株式会社は、日本ベネックス本社工場において「みらいの工場」プロジェクトを本格始動することを発表した。
「スマート工場」の
モデル確立を目指す
「みらいの工場」プロジェクトとは、再生可能エネルギーと電気自動車(EV)、そしてEVのリユース蓄電池システム(400kW)を組み合わせて利用することで、電力を自給自足しクリーンなエネルギーを原動力に生産を行う「スマート工場」モデルの確立を目指すものだ。
日本ベネックス本社工場では、屋根置き太陽光パネルおよび新型蓄電池システムを全て完工しており、日産自動車の商用EV「e-NV200」も10台導入済。
日産電気自動車「e-NV200」を10台導入。普段は従業員が通勤に利用し、工場で充電。
太陽光発電で得た電力は、蓄電池システムにより出力の過不足を平準化すると同時に、工場の電力需要ピーク時には補助電源として活用する。EVは主に従業員の通勤や外出時に利用され、使用済バッテリーを蓄電池システムに再利用することで、バッテリーのリユースモデルの構築も行っていくという。
新型リユース蓄電池システム。従来比2倍の搭載効率実現。
また、蓄電池システムとEV充電は、2020年に実用化が期待されるVPP※1に対応しており、充放電のタイミングの最適化を通じて、エリア全体の電力需給の調整にも貢献する計画だ。
「みらいの工場」モデルの確立により、エネルギーの効率利用はもちろん、環境と共生する低炭素社会の実現も目指している。
※1 VPP:「バーチャル・パワー・プラント」の略。 点在する蓄電池などのエネルギーリソースをIoTで統合し、その充放電等を制御することで電力の需給を調整する取り組み。