JPEA平野氏に訊く! 再エネの”主力電源化”へ向けた業界の役割とは?
2018/07/31
今年7月に閣議決定された「第5次エネルギー基本計画」。再生可能エネルギーが"主力電源"と位置づけられた変化を、太陽光発電協会(JPEA)はどう捉えているのか? 代表理事を務める平野敦彦氏に語っていただいた。
エネルギー基本計画を超えて
さらなる導入拡大を目指す
「第5次エネルギー基本計画」が閣議決定されました。再生可能エネルギーの”主力電源化”ということを明確に定義づけ、そのベクトルに向かって課題を解決していこうということですから、たいへん大きな前進です。我々としては、これを契機に、さらに太陽光発電の普及拡大を図っていきたいと考えています。
太陽光発電協会(JPEA)は昨年、「JPEAPVOUTLOOK2050」を発表し、2030年における太陽光発電の累計導入量を100GW、2050年には200GWという目標を打ち出しました。総発電量に置き換えると2030年で11%、2050年では18%に相当するものです。
国の計画においては、2030年時点で再エネ比率22〜24%、その中で太陽光発電には7%という目標値が設定されています。
しかし私どもとしては、この数字はけっして上限値ではないと認識しています。「JPEAPVOUTLOOK2050」で記したように、より高い目標を掲げることによって、新たな技術革新を生み出し、課題克服にスピードをもって取り組めると考えます。
そのことが結果的に需要の拡大、導入拡大という好循環を生み出すのだと確信しています。
コスト競争力や系統制約など
課題解決への取り組みを強化
克服すべき課題としては、まず第一に”コスト競争力”を挙げなければなりません。発電コスト面においても他電源との競争優位性を確立していかなければ、太陽光発電の主力電源化は望めないでしょう。
そして、2つめが”系統制約の克服”です。電力系統の運用に関しては、日本版コネクト&マネージの導入が始まりましたが、これはまさに官民一体となって系統問題への取り組みを進めていこうということであり、私どもとしても高く評価しています。
また太陽光発電には、分散型電源であるという強みもあります。これを活かして、自家消費を推進することで、系統への負荷を下げることができます。エネルギー地産地消の普及は、系統問題解決の糸口にもなっていくのです。
プロフィール
一般社団法人 太陽光発電協会(JPEA)代表理事
(ソーラーフロンティア株式会社 代表取締役社長)
平野 敦彦氏
1985年、昭和シェル石油株式会社入社。2009年、昭和シェルソーラー株式会社(現:ソーラーフロンティア株式会社)取締役就任、2014年より代表取締役社長。2017年6月、一般社団法人太陽光発電協会代表理事就任。
取材・文/廣町公則
SOLAR JOURNAL vol.26(2018年夏号)より転載