エネ庁がFIT申請制度を変更、電力会社の接続同意書の同時提出を義務化
2018/09/04
FIT制度の運用ルールが変更される。従来は1~2ヶ月とされていた標準処理期間が、2~3ヶ月と長期化。また、認定申請時の添付書類の1つ「電力会社との接続同意書類」は、申請時点での提出は必須ではなかったが、12月1日以降は必須となる。
認定の標準処理期間
従来よりも長期化
改正FIT法が施行されて以来、FIT認定の審査が長期化している現状を受け、FIT制度の運用ルールが変更された。
FIT制度における、再生可能エネルギー発電事業計画の新規認定と変更認定の標準処理期間は、従来は1~2ヶ月とされていた(バイオマス発電は2~3ヶ月)。しかし、改正FIT法によって認定基準が厳格化されるなどして、審査期間がこの標準処理期間を超過しているのが現状だ。そのため、資源エネルギー庁は、8月31日から、この標準処理期間を下記の通りに変更。また、今年度から一部のバイオマス発電の入札制度が導入されたことに伴い、新たな規定を追加した。
●10kW未満太陽光発電設備に係る再生可能エネルギー発電事業計画の新規認定申請及び変更認定申請 1~2ヶ月 → 2~3ヶ月に変更
●10kW以上太陽光、風力、中小水力、地熱発電設備に係る再生可能エネルギー発電事業計画の新規認定申請及び変更認定申請 1~2ヶ月 → 3ヶ月に変更
●バイオマス発電設備に係る再生可能エネルギー発電事業計画の新規認定申請及び変更認定申請 2~3ヶ月 → 4ヶ月
●太陽光発電設備に係る再生可能エネルギー発電事業計画の入札参加可否の通知 1~2ヶ月 → 2ヶ月
●バイオマス発電設備に係る再生可能エネルギー発電事業計画の入札参加可否の通知 規定なし → 4ヶ月
改正FIT法では、認定条件に「電力会社の接続の同意を得ていること」が追加され、新規認定申請や変更認定申請の際には「電力会社との接続同意書類」を添付する。ただし現行ルールでは、申請時点に同時に提出することは必須ではなく、申請者から書類が提出されしだい認定されることになっている。
資源エネルギー庁によると、この仕組みが審査期間の長期化の要因になっているという。そこで、現行ルールを見直し、「電力会社との接続同意書類」も申請時点に提出することを必須とする。この変更が適応される期日は、以下の通り。
●50kW未満太陽光発電設備 2018年12月1日以降
●上記以外の発電設備 2019年4月1日以降
年度内案件の期限日も告知
50kW未満太陽光は1月11日
毎年、年度末にはFIT認定の提出が集中する。そのため、資源エネルギー庁は例年、年度内の案件として申請・届出期限日を設定している。今年度も同様の状況が想定されることに加えて、上述したように、12月1日から50kW未満太陽光の申請時には「電力会社との接続同意書類」を同時に提出することが必須となるなどルールが変更されるため、例年よりも早期に期限日を告知した。
●太陽光(50kW未満)の場合
新規/変更認定申請・事前/事後変更届出期限日:2019年1月11日(金)
(注1)2018年12月1日以降、「電力会社との接続同意書類」を申請時に提出することが必須となる。また、それよりも前に申請した案件についても、期限日までに書類を提出することが必要となる。
(注2)電子申請が原則。申請用サイト:固定価格買取制度 再生可能エネルギー電子申請
紙申請となる場合は手続きに時間がかかるため、上記期限に関わらず早めの申請が望ましい。また、紙申請の持参は受け付けていない。
●バイオマス(他省庁協議必要)の場合
・新規/変更認定申請期限日:2018年12月21日(金)
・電力会社との接続同意書類および環境影響評価方法書に関する手続を開始したことを証する書類の提出期限日(当初の申請時に添付しなかった場合):2019年2月8日(金)
●太陽光(50kW以上)、風力、水力、地熱、バイオマス(他省庁協議不要)の場合
・新規/変更認定申請・事前/事後変更届出期限日:2019年1月11日(金)
・電力会社との接続同意書類および環境影響評価に関する方法書の手続を開始したことを証する書類の提出期限日(当初の申請時に添付しなかった場合):2019年2月8日(金)
上記期限日までに申請書類等が担当部署に到着しない場合には、今年度中の案件として受理されない。期限日超過や不達の理由による例外は一切ないため、注意が必要だ。早めの処理を心がけたい。