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太陽光FIT制度、既存案件の買取金額を減額へ! 「未稼働案件」対象に

経済産業省は、再生可能エネルギーに関する小委員会で、「過去にFIT認定した未稼働案件」の買取価格を減額する方針を固めた。増大し続ける再エネ賦課金の国民負担を抑制する狙いがあるが、“国が一度認めたものを覆す”ことへの反発は必至だ。

「未稼働案件の買取価格」減額
再エネ賦課金の国民負担を抑制

経産省は、10月15日の「再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会」で、太陽光発電の固定価格買取制度(FIT)の一部を見直す方向性を示した。過去に認定した設備のうち、未稼働の案件の買取価格を引き下げる方針だ。

国が、一度認定したものを覆す、という異例の措置を講じることになる。強い反発を招くことは必至だが、背景には、再生可能エネルギー発電促進賦課金の国民負担の増大がある。

経産省の資料によると、2018年度の買取費用総額は3.1兆円で、再エネ賦課金(国民負担)総額は2.4兆円にのぼるという。電気料金に占める賦課金の割合は、産業用・業務用で16%、家庭用で11%に増大。いまや、電気料金の1割以上が賦課金で占められているのだ。

これは、諸外国と比べても高い金額だという。FIT制度開始から5年間(2012~2016年)で再エネ比率を約5%増加(10→15%)させるのにかかった国民負担単価は、日本では2.25円/kWhだった。これをドイツおよびイギリスと比較すると、ドイツは0.63円/kWh、イギリスでは0.28円/kWh。日本よりも大幅に低い。


FIT制度に伴う国民負担の内外比較(出典:経済産業省)

再エネ賦課金の国民負担を低減することは、喫緊の課題だといえるが、逆に国民負担はどんどん増えている。しかも現行のFIT制度では、国民負担がさらに大きく膨らむ可能性のある“時限爆弾”を抱えている。それが、過去にFIT認定を受けたにもかかわらず、まだ稼働していない「未稼働案件」だ。

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