EVが市街地を疾走! 新時代のモーターレース『フォーミュラE』がアツい
2019/04/05
100%電気を使った、ひとり乗りレーシングカーで争われるモータースポーツ『フォーミュラE』。日本ではパワコンメーカーとして知られるABBグループが冠スポンサーを務め、今シーズンは4大陸12都市で13のレースが開催される。華麗なバトルを繰り広げる『フォーミュラE』の魅力とは?
「エコ」を考える
新時代の熱いレース
フォーミュラEは、F1や世界ラリー選手権などを統括している国際自動車連盟が立ち上げた、世界最高峰のEVレースである。F1と同じように機能に徹したひとり乗りマシンによって勝敗を競うレースだが、エンジンは載っていない。後方に積んでいるのは、モーターとバッテリーだ。
ドライバーの背後に高性能バッテリーとモーターを配置している。タイヤは雨でも使える全天候タイプだ。
エンジンのように爆音をたてないから、レースは世界各国の都市の公道で行われる。1分の1の電動ラジコンカーのようなものだが、迫力と速さはケタ違いだ。モーターはパワーとトルクが一気に立ち上がり、豪快な加速を見せる。
モーターがパワーアップして
バッテリーも充分!
フォーミュラEのシリーズ戦は2014年にスタートを切った。モーターやバッテリーなどの主要パーツは、どのチームも共通だから実力は伯仲している。が、積極的に走るとバッテリーがもたないから、これまでは途中で新しいマシンに乗り換えていたのだ。
2018年12月、シーズン5がサウジアラビアで開幕した。EVマシンが新世代に切り替わり、モーターは昨シーズンの270psから340psにパワーアップされている。バッテリーの総量も増えたから、マシンを交換することなくゴールまで突っ走れるようになった。
今シーズンからフランスのe.damsをパートナーに参戦する日産のマシン。開幕戦でブエミ選手が6位になった。
第2戦は激しいバトルの末に、インドのマヒンドラレーシングから出場したダンブロジオがウィナーに!!
世界中の自動車メーカー(や一流企業)が関心を持っており、今季はBMWと日産もワークスマシンを送り込んでいる。今、もっとも熱いレースがフォーミュラEなのだ。
DATA
取材・文/片岡英明