ネクストエナジーが東京ガスと資本提携、分散型エネルギー等を共同開発
2019/07/16
ネクストエナジーが、東京ガスと資本提携及び分散型エネルギー資源を活用するIoTプラットフォームの共同開発契約を締結したと発表した。多角的な太陽光発電事業を展開しているネクストエナジーは、東京ガスとの強力なタッグによって、新たなビジネスの可能性を探る。
ネクストエナジーと東京ガス
資本提携に踏み切った両者の背景
7月3日、ネクストエナジー・アンド・リソース株式会社は、東京ガス株式会社と6月28日に資本提携、及び「分散型エネルギー資源を活用するIoTプラットフォームの共同開発契約を締結」したと発表した。
ネクストエナジーは、2003年の設立以来、太陽電池モジュールをはじめとする関連部材の開発・販売から発電設備の建設・保守管理まで、太陽光発電をトータルにサポートする事業を展開している。今回の資本提携等により、東京ガスのIoTを活用したデータ解析技術、高速化技術と、ネクストエナジーが蓄積した太陽光発電関連データを組み合わせ、分散型エネルギー資源の価値を最大化するIoTプラットフォームの構築を加速するねらいだ。
東京ガスは、2017年12月より国内外のスタートアップ企業やエネルギー関連ベンチャーキャピタル等への投資および協業活動を「アカリオ・ベンチャーズ」という名称で取り組んでおり、オープンイノベーション型研究開発を推進している。今回の資本提携等もその一環となる。
また、東京ガスグループは、2018年度から2020年度までの経営計画「GPS2020」において、「イノベーションの創出」を掲げており、需要家のメリット創出による一層のサービスの充実を図っている。今回の共同開発契約によって電力システムを安定させ、再生可能エネルギーの普及を推進する意向だ。
なお、資本提携の詳細については明らかにされていない。
資本提携という強力なタッグ
ネクストエナジーのビジネス展望
ネクストエナジーは、「自然エネルギーを普及させ、永続できる社会の構築に貢献する」というビジョンのもとに事業展開をしており、持ち株会社であるネクストホールディングスグループ全体の連結売上高は、223億900万円(2018年6月期)に上る。
住宅用や産業用の太陽光発電はもちろん、独自の杭打ち工法や独立型太陽光発電「オフグリッドソーラー」など、太陽光発電に関して幅広い事業展開を行っている。
2017年2月から開始した家庭向けの電力サービスは、グリーン電力証書を活用して100%自然エネルギー電力プランを提供する「GREENa RE100プラン」と、J-クレジット制度を活用した二酸化炭素排出係数ゼロ電力を提供する「GREENa スタンダードプラン」の2種類。東北、東京、中部、関西の4エリアで電力小売事業を行っている。
ネクストエナジーの伊藤代表取締役社長は、6月3日開催の太陽光発電協会(JPEA)総会で理事に選出されるなど、太陽光業界において存在感をさらに強めている。
東京ガスとの資本提携という強固なタッグに、これからも目が離せない。
DATA
ネクストエナジー・アンド・リソース株式会社
東京ガス株式会社
文/山下幸恵