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『アイアンマン』が現実世界でも地球を守る!? ロボットを活用した環境改善活動を発表

ロバート・ダウニー・Jr.は、この11年間、映画『アイアンマン』や『アベンジャーズ』シリーズで、アイアンマンとして地球を守ってきた。そんな彼が、この先11年間は環境問題に取り組むことを発表した。彼が取り組もうとしている、ロボット工学と最新技術を活用して、地球環境を改善する組織『Footprint Coalition』とは、どのようなものだろうか。

カムバック後の慈善活動

映画監督をしていた父親の作品で子役デビューを飾り、俳優として活躍するようになったロバートは、1980年代には、演技派青春スターとして人気を博し、出演作が続々と封切られた。

しかし、父親から与えられたマリファナを8歳の頃から常用し、その後、ドラッグに手を染め、幾度となく逮捕。拘置所から撮影所に通った逸話を作り、1999年には1年間の刑務所暮らしも経験した。仮出所後に人気ドラマ『アリーmy Love』に出演するも、再び逮捕されてドラマをクビになり、ハリウッドからも事実上クビになった。

しかし、2003年、ドラッグとの決別に成功し、メル・ギブソンの助力を得てスクリーンに復帰。採用に絶対的な抵抗を示していた配給側の意志を覆す演技力をオーディションで見せて勝ち取った2008年の映画『アイアンマン』のタイトルロールで文字通り起死回生のカムバックを遂げた。その後は、ご存知の通りの大躍進を続けている。

暗い過去を持つからこそ、また、応援してくれた人々への恩返しの気持ちもあってか、『アイアンマン』への出演以降、ロバートは慈善活動にとても熱心だ。

子供達から愛されるスーパーヒーローを演じている責任を果たすように、アイアンマンであるトニー・スタークになりきって子供達の前に現れて元気づけたり、おどけた動画をアップして支援を促したりしてきた。それらの活動は、難病の子供達、勉学に励む若者たちに向けてだったが、この度、『アベンジャーズ』の同僚で、前号で紹介したマーク・ルファロのように環境問題への支援活動を開始した。


最新技術を使って環境活動

6月、ネット通販世界大手のアマゾンがRe:MARSカンファレンスを開催。MARSとは、火星ではなく、Machine learning(機械学習)、Automation(自動化)、Robotics(ロボット工学)、Space(宇宙)の頭文字を取ったもの。このカンファレンスにゲストとして登壇したロバートは、ロボット工学と最新技術を活用して地球環境を改善する組織Footprint Coalitionを立ち上げ、2020年4月までに活動を開始すると発表した。

同組織のウェブサイトには詳細はまだなく、ニュースレターの登録画面だけが表示され、「登録すれば、環境問題に取り組む私達の旅の次の一歩を最初に知ることができます」と書いてある。

スピーチでロバートは、同組織のアイデアは『アベンジャーズ/エンドゲーム』の公開の時期だった約6週間前に、「ものすごく頭が良く、印象的で、その道のエキスパートな人々とテーブルを囲んだときに生まれた」と打ち明け、「AIと最新技術を使えば、10年間で、この地球を全部とは言わないまでも、かなりの部分をクリーンにできる」と力説した。

抜群のユーモアと行動力を持つロバートの環境問題への今後の取り組みに注目したい。


PROFILE

ロバート・ダウニー・Jr.

1965年、アメリカ生まれ。父親であるダウニー・Sr.監督の『Pound』で子役として映画初出演。1992年の『チャーリー』で英国アカデミー賞主演男優賞を受賞。2000年にはゴールデングローブ賞助演男優賞、2009年には同賞主演男優賞を受賞した。アベンジャーズシリーズで最も人気のキャラクターと名高い「トニー・スターク / アイアンマン」を演じる。


取材・文/はせがわいずみ

SOLAR JOURNAL vol.30(2019年夏号)より転載

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