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自家消費の実例レポート! バッテリー活用で、災害に備えた安心な暮らし方

蓄電池やクルマのバッテリーを使って、自家消費できる能力を高める。太陽光から生み出す電気で災害にも備える先進的なご家庭を取材。

EVのバッテリーを最大活用
災害時も安心な暮らしを実現

2018年12月に滋賀県で新築住宅を購入した松村さんご夫婦。住宅の購入とあわせて電気自動車も購入し、EV生活も同時にスタートさせました。

夫婦お二人でお住まいのこの住宅の特徴は、太陽光パネルだけでなく、蓄電池も活用し、さらに、クルマのバッテリーも活用できるところ。

押し入れ内には4kWhのコンパクトな蓄電池を設置。太陽光パネルで発電した電気をためておくことができます。

夫の大樹さんは、祖父のご実家で太陽熱を利用していたこともあって、以前からクリーンなエネルギーに興味をお持ちでした。「家を建てるなら太陽光パネルは載せたいと思っていました」(大樹さん)。

住宅の購入を検討し始めたときには、クルマのバッテリーを住宅で使う「V2H」システムのことはご存知なかったそうですが、この住宅には、ニチコン製のV2Hシステムが導入されています。



日中に屋根で発電した電力の余剰分を売電し、日没後は23時まで、容量4kWhの蓄電池から自宅の使用電力をまかなっています。蓄電池を残量30%まで使い切った場合には、クルマの電気を住宅へ送電。23時から翌朝7時までは、割安な深夜電力を使って、蓄電池やクルマへの充電を行っています。

太陽光パネルの発電状況やEVの充電状況は室内モニターでチェック。住宅からEVへ、またEVから住宅へ、電気の流れを賢くコントロール。

日々の通勤に使っている日産の新型リーフは、バッテリー容量40kWh。ガソリン代の支払いがなくなっただけでなく、「ガソリンスタンドに寄る必要もなくなって、むしろ便利になりました」と、大樹さんは満足の様子。もしもの災害時には、クルマの大容量バッテリーから住宅へ送電することもできるので安心です。

V2Hスタンドを使って自宅でEVに充電。太陽光で生み出した電気を有効活用しています

お二人とも化学系メーカーにお勤めの松村さんご夫婦は、建築物の構造にも理解が深く、複数の住宅メーカーの工場を訪れて、十分な比較検討を行ったそうです。

「どんな構造で作られているのか、気になってしまうんですよね(笑)」と語るのは、妻の佳央里さん。セキスイハイムを選択されたのは、その構造の強度に納得したからだそう。

「阪神淡路大震災や熊本の地震など、災害に強い住宅であることも、選択の大きな理由になりました」(大樹さん)。



固定価格買取制度による売電プランについてもしっかりと勉強。買取期間が20年になることを考えて、住宅に搭載したパネル容量は11kW超えです。

オール電化にしたことで、割高だったプロパンガスの支払いがなくなり、発電量が多い月には、しっかりと黒字になっています。

パソコンで発電量と売電金額をチェック。

自然エネルギーを活用して、日々を快適かつリーズナブルに、そして災害に強い生活へ。未来に備えた新しい暮らし方が始まっています。

パワーコンディショナなどは壁面に設置。

DATA

日産リーフ( バッテリー容量40kWh)
太陽光パネル 合計出力 11.02kW
パワーコンディショナ「トライブリッドパワコン」(ニチコン製)
ニチコン製蓄電池 容量 4kWh
ニチコン製V2Hスタンド



撮影/井ひろみ
取材協力/ニチコン株式会社、積水化学工業株式会社

SOLAR JOURNAL vol.31(2019年秋号)より転載

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