『ドイツの知見を活かし、常にリードを』SMAジャパン戦略の中身とは?
2020/07/27
PCSメーカーのパイオニアで、全世界190ヶ国・85GW以上の実績を誇るSMA Solar Technology AG。その日本法人 SMAジャパンに2020年4月、新代表取締役に松岡啓介氏が就任した。当面は営業責任者を兼任するという。前代未聞のコロナ禍での着任に際し、どのように采配を振るうのか。今後の営業戦略を聞いた。
新代表取締役の松岡啓介氏
コロナ禍という状況での就任ですが、足元の見通しはどうですか?
新型コロナの影響は、2020年度上期にはほとんど見られませんでしたが、下期はそうはいかないでしょう。特に特高案件は工事日程の遅延もあり影響を受けています。SMAジャパンとしては引き続き未稼働案件に着手しつつ、次のアクションも起こしています。
2020年下期には、低圧市場向けの単相5.5kWと高圧・特高用の2機種の分散型パワコンを発売し、未稼働案件に対応します。既存の発電所のPCSを更新するリパワリングビジネスにも力を入れています。PCSは数年前と比べても効率が向上しました。FIT売電中のEPCやデベロッパーは、最新のPCSに交換してでも発電ロスを最小化したい。こうしたニーズは今年から増えています。
また、今後ますます重要になるサービスについて、今年から組織改編し強化を図っています。市場の要求を満足させることと関わるコストとは反比例しますが、コロナ渦でもサービスの質を落とすことはないようにと考えています。
太陽光マーケットは市場構造やビジネスモデルが大きく変容しています。顧客層も今後はビジネスモデルに応じて多岐にわたると考えています。本社のある再エネ先進国・ドイツの知見を活かしながら、常にリードをとっていきたいと思っています。
FIT法が抜本的に見直されました。自家消費型太陽光に対する戦略を教えてください。
宮崎県の「ハンファソーラーパワー 高原第1・高原第2発電所」
方向性として、ストレージビジネスを拡大するのは間違いありません。特高ユーザーから家庭向けまで、レンジごとに戦略を立てています。大型ストレージ用パワコンは、すでに受注がスタートしました。これまでのFITとは明らかにビジネスモデルが違います。中型産業用及び住宅市場向けについても新戦略で市場に打って出ようとしています。
一方で、これからの自家消費のメインターゲットになる低圧・高圧ユーザーへは、2021年以降、自家消費に適したパワコンを発売する予定です。
自家消費型ビジネスは多くの選択肢があり、また本格化するのも少し先になりますが当社としてはハードウェアの物販よりアプリケーションを含めた提案力の勝負になると考えています。
本社のあるドイツと日本では、再生可能エネルギーに対する意識の差があります。ドイツの知見は日本でも活かされますか?
今年ドイツで販売予定のSMA EV Charger。無償のEV充電管理アプリSMA Energy Appsとのシステム提案で差別化を図る。
ドイツでは、ソフトウェアを含めたアプリケーション提案をしています。これからの日本では、案件ごとにカスタマイズされた最適なシステム提案が欠かせません。本国ドイツのノウハウでハードとソフトの両面から差別化を図り、価格競争からは一線を画します。
CO2削減に対する国内の意識は、まだ浸透しているとは言えません。EPCなどと協業しながら、大手企業から意識を高めていくことが必要です。来年2021年にはSMAジャパン創業10周年を迎えます。得意とする電力消費量の抑制やソーラーシェアリングも織り交ぜ、再エネ志向のムーブメントに貢献していきます。
SMA Utility Roadshow & SMA SOLAR ACADEMYのご案内
①New! SMA Utility Roadshow: メガソーラー向け新製品のご紹介
受講対象者:大規模発電所の設計・コスト削減をご希望のEPC/事業者様
【日時】2020年8月5日(水) 11:00~12:30
②SMA SOLAR ACADEMY:SMA製品・通信トレーニング
受講対象者:自社製品・通信機器の知識・スキルアップをご希望の施工会社様
【日程】2020年8月24日(月) ~8月26日(水)
参加費:無料 詳しくはコチラ
お問合せ
SMAジャパン株式会社
〒105-0014 東京都港区芝3-23-1セレスティン芝三井ビル8階
TEL: 03-3451-9532