編集部からのお知らせ

JPEAに聞く 新型コロナウイルスの太陽光発電への影響

新型コロナウイルスの感染拡大とそれに伴う各種活動の自粛は、太陽光発電にも甚大な影響をもたらしている。日本の太陽光発電産業は、この緊急事態を乗り越えていけるのか。太陽光発電協会(JPEA)に、実情を聞いた。

証明書の発行業務が遅延

新型コロナウイルスの感染拡大により、4月上旬よりJPEA事務局も基本的に在宅でのテレワークを行っています。会員が集まる「部会」「研究会」、自治体等で行う「講演会」は3月中旬より中止・延期を続けており、JPEAがオブザーバーとして参加している経済産業省など役所関連の会議も延期または書面会議となっている状況です。

JPEAの活動については、WEB会議の活用等で維持しています。しかしながら、過去に交付した補助金の手続き、非FITの証明書や中小企業等経営強化法に係る証明書等の発行業務に関しては、通常より多くの処理期間を要することが見込まれます。

着工遅れに救済措置を

太陽光発電事業の現場にも、新型コロナウイルスにより、大きな影響が生じています。とくに、開発中の案件においては深刻です。自治体・地域への説明会が開催できないので、次のステップに進むこともままなりません。

また、サプライチェーン全体の事業活動量が低下していますから、部材入着、着工、工事すべてにおいて遅れてしまう状況にあります。着工の遅れは、運転開始期限付きの案件にとっては死活問題です。また、入札対応など事業準備への影響も甚大です。

こうした事業者の責に依らない遅延に関して、JPEAでは期限延長などの特例措置の検討を求めてきたところですが、今後とも状況の変化に合わせ、現場の実態を資源エネルギー庁へお伝えする努力を継続したいと考えています。

昨年度、FIT制度の抜本的な見直しにより「未稼働案件の認定取消」の方針が明確になりました。一定の期間、運転開始に至らない案件の認定を取り消す措置が盛り込まれたわけですが、新型コロナウイルスの影響が長期化した場合、何らかの配慮が必要となるでしょう。

資金繰り支援を見逃すな

一方、太陽光発電に特化したものではありませんが、緊急対策として打ち出された資金繰り支援等の施策については、事業者団体として歓迎しているところです。自社の状況に条件が合うものはないか、「資金繰り支援内容一覧表」をチェックしていただければと思います。


出典:経済産業省

検査・点検期限の延長

経済産業省は4月10日、新型コロナウイルス感染拡大防止に向けて、保安規制の特別緩和を発表しています。「産業保安規制の一部(定期保安検査等)について安全確保を前提としつつ柔軟な対応ができるよう、各関係法令において検査・点検期限の延長等を可能とする制度改正」を行ったというものです。

対象領域は、「高圧ガス保安法関係」「石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律関係」「ガス事業法関係」「電気事業法関係」「鉱山保安法関係」「火薬類取締法関係」と多岐にわたりますが、このうち「電気事業法関係」は太陽光発電にも直接関わります。

具体的には、「発電設備等の電気設備の設置者が、自ら実施する検査の実施体制について国または登録機関が行う安全管理審査を受けなければならない時期を延長する(4月10日から9月30日までに時期が満了する組織について4ヶ月間)」という内容です。個別の審査に関する問い合わせや相談は、安全管理審査を行う産業保安監督部または登録安全管理審査機関で受け付けているので、不安のある方は連絡してみると良いでしょう。


出典:経済産業省

1.適用の対象となり得る電気工作物の範囲
定期事業者検査を行う必要がある事業用電気工作物

2.適用となる場合
以下のいずれかに該当する場合は、電気事業法施行規則第94条の2第2項第3号に規定する定期事業者検査を行うことが著しく困難な場合に該当するものとする。

① 新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言を受けて、都道府県知事による徹底的な外出自粛要請が出たことや、定期事業者検査の実施が予定されている事業所において、新型コロナウイルス感染症の感染者が出たこと等により、検査に係る必要な人員の招集が困難である場合。

② 新型コロナウイルス感染症への対応に優先的に必要な物資を製造する事業者において、当該電気工作物(自家用発電設備)の稼働による発電や蒸気の供給等が当該物資の製造に不可欠である場合。

③ 定期事業者検査の実施のために必要となる資機材や交換部品、パッキン・シール等の消耗品、検査を行う人員に必要となるマスクや防護服等が、これらの製造業者の従業員等に新型コロナウイルス感染症の感染者が出たこと等により、代替品も含めて確保が困難である場合。

④ ①~③以外の場合であって、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に関連する諸事情により、定期事業者検査を行うことが著しく困難な場合に該当すると産業保安監督部長が認める場合。


取材・文/廣町公則

SOLAR JOURNAL vol.33(2020年春号)より転載

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