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2021年夏、予備率3%台が予想されるエリアも。冬季の需給見通しも厳しく

2021年度の夏季と冬季は、いずれも電力需給の見通しが厳しいとされている。特に、東京エリアでは冬季の供給予備率がマイナスになる月もあるという。5月25日、経済産業省は需給対策や供給力の確保などについて議論した。

今夏の予備率、最低限必要レベル
無理ない省エネ協力呼びかけへ

経済産業省は、電力需要の高まる夏季(7~9月)と冬季(12~2月)に備えて、需給状況の検証を行っている。東日本大震災以降、電力の供給体制に万全を期すために毎年行われるようになった。

電力広域的運営推進機関が事前に取りまとめた情報によると、今夏の電力の需給状況は次の通りだ。予想される需要電力に対して供給力の余裕(供給予備力)を示す供給予備率が、北海道・沖縄を除く全国8エリアで7月に3.7%、8月に3.8%となる見込みだという。安定供給に最低限必要とされる3%を上回ってはいるものの、厳しい見通しであるとされた。

これに対して、経済産業省の電力・ガス基本政策小委員会は、発電事業者や小売電気事業者に対策を要請する考えを示した。同時に、一般の需要家に対しても無理のない省エネなどの協力を要請する方向性だ。

東京エリアの冬季の予想需要
供給力を上回る見通しに

2021年度の冬季についても、電力需給の見通しが厳しいと予想された。特に、東京電力エリアでは、1月と2月の供給予備率がそれぞれ-0.2%、-0.3%になるとみられている。つまり、電力の予想需要が供給力を上回る見通しだという。

同委員会では、1~2月に計画されている発電所の補修を調整するよう発電事業者に求めるほか、小売電気事業者に対してもデマンドレスポンス契約などの拡充を働きかける構えだ。

さらに、長期的な供給力の確保のためには、発電所の休廃止を防ぐ規制とインセンティブの双方が必要であるとし、2022年度以降に向けた対策を練るとした。

DATA

経済産業省 電力・ガス基本政策小委員会


文:山下幸恵(office SOTO)

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