2030年 太陽光は驚愕の発電コストに!
2016/11/04
環境経営コンサルタントの村沢氏に改正FIT法の制度や電気自動車への期待を聞いた。
新認定制度と入札制度
「再生可能エネルギー特別措置法」が改正され、2012年7月から始まった固定価格買取制度(FIT)が、来年4月から大きく変わる。太陽光発電事業にどんな影響があるのか。
影響が大きいのは設備の認定制度。認定要件として、計画の実施可能性を確認するとされており、事前に、電力会社との接続契約の締結が必要になる。空押さえ(認定を受けたにもかかわらず事業に着手しない)の減少を目指すのが目的だ。
注意すべきは、現行制度のもとで既に認定を受けている案件であっても、来年3月31日までに電力会社との接続契約が締結できていない場合には、原則として認定が失効してしまうこと。
また、大規模な太陽光発電を対象に、入札制が導入される。EPC(設計・調達・工事会社)や発電事業者にとっては苦しくなるが、電力の買取費用および国民負担の抑制のためにはやむを得ないだろう。
利益を生み出す工夫を!
買い取り価格の低下も気になる。初年度に40円だったkWh当たりの買取価格が24円まで下がり、「もはや採算に合わぬ」との悲鳴も聞こえてくる。しかし、諸外国と比較するとまだまだ非常に高いことを忘れてはならない。中国は15円程度。最近市場が急拡大中のインドは8円。アメリカのメガソーラーでも10円を切る案件は珍しくない。
買い取り価格が下がった分だけコストを下げよう。私の周りのEPCは、少なくとも20円ぐらいまでは対応可能。日本で使われるパネルの大半が外国製となり、40円当時より30〜40%は安くなっているし、パワコンも外国製の普及で、3分の1〜4分の1に下がっている。後は工事費とメンテコスト削減のためもう一工夫必要だ。
ポストFITの模索も必要。自産自消型発電への移行だ。太陽光発電では、夜に止まり悪天候時にも大幅に落ちてしまうため、供給安定化のための蓄電池が必要になる。家庭用製品が発売されているが、今後は、メガソーラー用も増えてくるはずだ。