2022年度のFIP・FIT制度、委員長案を公表! 基準価格案は10円/kWhに
2022/02/01
FIP制度の開始がいよいよ迫ってきた。経済産業省は、2022年度のFIP基準価格やFIT入札の詳細について方向性を示した。入札の実施回数や上限価格の事前公表などは継続される見通しだ。一方で、既存の建物への太陽光の導入を加速する措置も提示された。
FIP基準価格の委員長案は10円
入札の対象や回数は今年度と同様
2022年度から始まるFIP制度では、買取価格に上乗せされるプレミアムは、FIT制度での調達価格に相当する「基準価格」と市場価格などによって決まる「参照価格」との差額となる。つまり、基準価格がいくらになるかでプレミアムが決まる。
1月28日の第75回調達価格等算定委員会では、この基準価格の委員長案が発表された。2022年度は、事業用太陽光の50kW以上250kW未満、250kW以上500kW未満、500kW以上1,000kW未満のいずれもFIP基準価格10円/kWhという案が提示された。
2022年度は、50kW以上1,000kW未満についてはFITとFIPの選択ができる。今年度と同様に、250kW以上が入札の対象となるとみられ、上限価格も引き続き事前公表となる見通しが示されている。入札の実施回数も年4回になる予定で、各回の上限価格の委員長案はそれぞれ、第12回が10.00円/kWh、第13回が9.88円/kWh、第14回が9.75円/kWh、第15回が9.63円/kWhとされた。
(入札対象の事業用太陽光・2022年度上限価格の委員長案)
既存の建物に設置なら入札対象外
導入の加速を後押しする意図
2022年度には、既存の建物の屋根などに太陽光を導入する場合には入札制の対象外とされる予定だ。これは、既存の建物への太陽光の設置を加速するための特別な措置だ。この場合には、調達価格・基準価格は50kW以上の入札対象外の価格である10円/kWhとされる見通しだ。2022年1月17日以前に建てられていた建物に限るとみられる。
既存の建物への太陽光の導入は伸び悩んでおり、入札制度の対象から外すことで導入を加速したい意図がある。
DATA
文:山下幸恵(office SOTO)