編集部からのお知らせ

あなたの発電所は大丈夫? FIT法改正後を生き残れ

運転開始前にパネル変更ができる!

改正FIT法では、運転開始期限が設けられるとともに、変更認定に伴う買取価格変更ルールも見直されることになった。運転開始までに一定のパネル変更をしても、「FIT買取価格は変わらない」ことになったのだ。現行制度では、運転開始前に、太陽電池のメーカーや種類を変えるなどの変更認定を受けた場合、FIT買取価格も変更認定時のものに変えられてしまった。たとえば、FIT認定から1年後にパネル変更をするとしたら、1 kWhあたり3〜5円も安くなることを受け入れなければならなかった。これでは高性能で低価格な太陽電池が出てきたからといって、変更認定を受けるうまみはまったくない。

しかし今後は、運転開始期限内であれば何度でもパネルの見直しができる。売電収入を減らすことなく、より低価格なパネルへの変更が可能なのだ。それが事業性の向上に直結し、投資回収を早めることになるのは間違いない。事業者にとっては、うれしい改正ポイントだ。

新旧FITにおける買取価格変更ルールの違いは、表3のとおり。新制度では、多くの項目において、太陽電池を変えても買取価格は「変更なし」だ。ただし、「出力の増加」に関しては、新制度でも変更認定時の買取価格が適用されるので注意されたい。

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未稼働案件57GW、その9割が太陽光

2012年7月のFITスタート以来、新規認定を受けた再生可能エネルギー発電設備は、2016年6月末時点で累計87.39GW。そのうち稼働に至った案件は30.46GW。残りの56.93GWは未稼働案件だ。

認定容量の91.4%を占める太陽光は、未稼働案件も圧倒的に多く、認定容量79.89GWのうち50.77GWが未稼働となっている。全未稼働案件の、じつに89.2%が太陽光に占められている。

改正FIT法は、この未稼働太陽光50.77GWをふるいにかけ、長期滞留案件を市場から追い払おうとするもの。これにより、電力系統への接続可能量を増やし、よりコスト効率に優れた再エネ発電設備の導入が促されることになる。

改正FIT法が施行される2017年4月1日時点で、はたして何割程度の太陽光が生き残っているか、注目されるところだ。現時点で正確な数字を予想することは難しいが、弊誌調査では、少なくとも30GW以上は認定失効になるものと思われる。

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取材・文/廣町公則

※『SOLAR JOURNAL』 vol.19より転載

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