政策・制度

環境省、EV昼間充電の実証実験 太陽光を有効活用

環境省は、太陽光発電の電力量が高まる昼間に電気自動車(EV)の充電を促す実証試験を年内にも開始する。EV所有者約1000人を対象に、再エネ比率が高い時間帯に電力の使用をシフトさせる行動科学的な手法を構築し、検証する予定。

行動科学的な手法で
電力使用をシフト

電気自動車EV

EV所有者約1000人を対象に実証実験

EVは走行時に二酸化炭素(CO2)を排出しないが、動力源となる電気をつくる際に火力発電などでCO2を排出する。環境省は太陽が出ている昼間に充電すれば、火力発電の割合が高くなる夜間の充電よりもCO2排出量を抑えることができるとしている。

電力取引仲介を手がけるスタートアップ、電力シェアリングに実証実験を委託する。同社はスマートメーターなどのデータから、時間帯別の1kWhあたりのCO2排出量を算出する特許技術を保有する。環境省は、この特許技術を用い、炭素会計の考え方に基づいて、電力の使用に伴うCO2排出量や削減量を算定し、家庭ごとに評価・スコアリングする。

実験期間は約1ヶ月で、EV所有者約1000人を対象に、より良い行動を自発的に取れるように、強制することなく促す「ナッジ」という行動科学の知見を活用する。環境省は、EV所有者の家庭ごとに評価・スコアリングすることにより、節電に加え、昼間のEV利用など、再エネ比率が高い時間帯に電力の使用をシフトさせるナッジ手法を構築し、検証する予定。実証実験の結果は、2050年に温室効果ガスの排出量をゼロにする「カーボンニュートラル」の実現に向けた施策に役立てる。

DATA

環境省ホームページ


取材・文/高橋健一

関連記事

太陽光関連メーカー一覧

アクセスランキング

  1. 仙台市、新築建築物への太陽光設置義務化の制度案を公表 東北では初導入...
  2. 【資源エネルギー庁】再エネ特措法に基づく現地調査を今月から実施
  3. 積水化学工業がペロブスカイトを量産化! 2030年にはGW級の製造ライン構築を目指す...
  4. 【環境省】脱炭素先行地域に7提案を追加選定、全国40道府県88提案に
  5. 【参加受付中!】2025年6月10日(火)「第34回PVビジネスセミナー」
  6. 太陽光発電協会、新春交流会を開催。「2040年22~29%、2050年400GW」に向けて...
  7. 家庭用蓄電池の定額利用サービス 2040年にかけての市場が大幅に拡大
  8. 【EMS専門家が監修】系統用蓄電池のビジネスモデル、他社に差をつけるためのEMSの基礎知識...
  9. 【PVビジネスセミナーレポート】第7次エネルギー基本計画の論点は?
  10. 第7次エネルギー基本計画を閣議決定 太陽光の比率を 23~29%程度に変更...
広告お問い合わせ 太陽光業界最新ニュース

フリーマガジン

「SOLAR JOURNAL」

vol.53 | ¥0
2025/4/10発行

お詫びと訂正

ソーラー電話帳 SOLAR JOURNAL メディアパートナーズ